※この企画の記事内では個人名は敬称略で記載しております、ご了承ください。
- 1:はじめに
- 2:OP近辺の出演者について
- 3:前半トリとその前の出演者について
- 4:後半トップとその次の出演者について
- 5:トリとその近辺の出演者について
- 5.5:主要パート担当アーティストから見るアニサマのトリの条件
- 6:映像販売担当とトリの関係について
- 7:まとめ
1:はじめに
今回からは第三部、もしくは第三章、第三幕でもいいや、「アニサマセトリとパート担当アーティストについて」に入っていきます。
第一章でアニサマの歴史を、二章で出演者のレーベルを見ていきました。この三章ではアニサマのセットリストを見ていき全体の流れと構成からわかる傾向を見ていこうと思います。
今回は誰がどこを任されているかという、パートの担当者についてです。
さて皆さん、ライブフェスの出演順序を決める時に重要なのは何でしょうか?
そう、トリです。所謂ヘッドライナー、そのライブの看板です。終わり良ければ総て良しという言葉があるようにその日のまとめ役となるトリの選出は非常に重要です。
そして次に重要になるであろう人がトップバッターです。ライブの始まりをいきなり盛り上げられる人選をし、その日の流れを作っていく重要な人選です。アニサマの場合最初の1曲がコラボレーションとなる事が多く、その勢いを引き告げられる人を選ぶ必要性があります。
またトリ前の人選も大切です。残りの出演者数からだんだんと後誰が残っているんだと考え、そして終わりが近づいているライブの雰囲気の中ラストスパートに入り、トリへと繋ぐ盛り上げを担当するトリ前から2~3組ほどの立ち位置に担当されるアーティストを選りすぐらなければいけません。
それにアニサマでは2011年から休憩が導入されたことにより前後半にライブが分けられ、前半のトリと後半のトップバッターが新たに誕生する事となります。これによってライブに段丘がさらにつくようになり、前半をうまく締められる人、後半からの再スタートをうまく点火できる人が必要となります。もちろんそれぞれのトリ前、二番手といったその前後も重要なポジションです。
…これ以上増えるとお前は「出演者はみんな大事です」、で締めそうだと言われそうですので(まあどうでもいい出演者なんていませんが)ここらへんで終わらせますが、とりあえず二つある頭と尾の周りが重要となります。
それではまず、実際のアニサマでそこは誰が担当したのか、を見ていきましょう。
それではまず表の見方です。
・普通の文字:過去に同一名義での出演経験があり
・太文字:初出演
・斜体:シークレットでの出演
・下線:活動休止、解散、引退等で今後の出演の可能性が非常に低い
・黒字:声優ソロアーティスト
・赤字:アニソンシンガー、及びアニソンシンガーによるユニット
・青字:声優ユニット(声優がボーカルを担当する音楽ユニット含む)
・紫字:作品ユニット
・緑字:J-POP、J-ROCK等一般系アーティスト、ボーカロイド
2:OP近辺の出演者について
まずはトップ周辺&前半トリ周辺の表を見ていきましょう。2011年より前は休憩制度が存在しないので空欄です。
なお一部アーティストはわかりやすくするため実際の出演時と異なる名義に変えている場合があります、ご了承ください。
まずはアニサマ開幕の花形、OPコラボからです。
ほぼ全ての年でOPコラボがあります。例外としては2012年日曜、2014年日曜、2017年金曜ですが、2017年金曜のSOS団は茅原実里が通常出演し平野綾と後藤邑子がシークレット出演したという形なのでコラボと解釈してもいいでしょう。2012年日曜のST☆RISHは通常出演とはいえ同日に宮野真守と鈴村健一と谷山紀章(GRANRODEO)が出演しているので無理やりコラボと解釈してもいいですがやめておきます。完全にコラボで無いのは2014年のJAM Projectぐらいです。
そして2009年まではOPコラボをした出演者の内一組がトップバッターとしてそのままソロの出番に続くという形が続きました。2008年からはコラボ兼トップバッター担当は初出演ながら知名度の高いアーティストが担当する事が多くなり、最初の盛り上げに相応しい人選が行われるようになります。また06年と09年土曜を除きコラボをしたもう一組はトリを担当するという事も続き、この形式は初期のアニサマの様式美と言えます。
この別パターンが始まったのは2010年からです。2010年土曜日のfripSideはOPコラボに参加せずトップバッターを担当するという流れであり、このころからトップバッターがOPコラボに参加しないというパターンが増えていきます。
OPコラボに参加しないアーティストがトップバッターを務める場合は大きく二つのパターンがあります。
1つは出演1~2回目の新人である場合です。例としては2010年土曜のfripSide、2013年金曜のももいろクローバーZ、2013年日曜の後ろから這いより隊G等があります。
もう1つは既に数回出演しており一定の経歴や知名度、地位と呼ぶべきものがあるアーティストである場合です。2011年土曜日や2014年日曜のMay'n、2011年日曜の栗林みな実、2013年土曜のfripSideといったパターンです。
また例外的に十分すぎる知名度がありながらも初出演となる場合、この2つを満たす場合もあります。2012年土曜の川田まみ(初出演、10年以上の経歴)、2014年土曜のFLOW(二度目の出演、15年以上の経歴)等です。
そして2014年頃から1日に複数のトリ経験者が出演する日が現れ始めると、過去のトリ経験者がトップバッターを担当する事も起き始めました。過去トリを担当するほどの実力や人気を持つアーティストが最初に出れば一気に盛り上げられるという事です。特に2014年金曜はJAM Project→茅原実里と大トリ経験者2組が連続して出演し、その日のトリの予想を大いに盛り上げる事となりますた。またこの場合は昨年の大トリがそのままトップバッターを担当するという形もあります。例えば2016年金曜のGRANRODEO、2017年土曜のangelaといったケースがあります。
ちなみに近年では過去普通に出演していたアーティストがシークレットで出演するという普通に出せや方法もありますが、この場合はOPコラボでの出演やトップバッターを担当するという事が多いです。最初からのサプライズという狙いでしょう。この場合同日に関係ある出演者がいる場合が多いです。例としては2015年土曜のfripSide*3、2017年日曜のMay'n*4、2018年金曜の藍井エイル*5がいます。
トップバッターに続く二番手に目を向けてみると、初出演もしくは2回目の出演者が多く見られます。これは比較的初期からの傾向です。2012年以降初出演者の数が多くなるとさらに顕著になり、特に2015年は高い作品ユニットが序盤に回される事が多くなります。それは単に知名度が高いというだけでなく、1日に複数の声優ユニットで出演する出演者が多くなり休憩や準備で時間が必要となるためです。例えば2017年金曜と2019年金曜の相羽あいな*6、2017年土曜の蒼井翔太*7、2017年日曜の八代拓と千葉翔也*8といったパターンです。
特に多いのが大橋彩香であり、2015年日曜*9、2016年土曜*10、2018年土曜*11と3回1,2番手で登場→その後別に登場というパターンがあります。へごを休ませろ!
3:前半トリとその前の出演者について
続いて2012年からの前半トリとそのひとつ前を見てみましょう。
前半トリ前 | 前半トリ | ||||
2011DAY1 | ELISA | BREAKERZ | |||
2011DAY2 | 石川智晶 | JAM Project | |||
2012DAY1 | 鈴木このみ | 森口博子 | |||
2012DAY2 | 小松未可子 | 織田哲郎(&上杉昇) | |||
2013DAY1 | 串田アキラ | FLOW | |||
2013DAY2 | アイドルマスターミリオンスターズ | 栗林みな実 | |||
2013DAY3 | 富永TOMMY弘明 | Coda | |||
2014DAY1 | Project.R | ALTIMA | |||
2014DAY2 | 堀江美都子*12 | 栗林みな実 | |||
2014DAY3 | 橋本仁 | LiSA | |||
2015DAY1 | TRUSTRICK | アイドルマスター | |||
2015DAY2 | SCREEN mode | スフィア | |||
2015DAY3 | fhána | 茅原実里 | |||
2016DAY1 | 玉置成実 | May'n | |||
2016DAY2 | イヤホンズ(+石田燿子) | FLOW | |||
2016DAY3 | 鮎川麻弥 | 栗林みな実 | |||
2017DAY1 | OxT | 鈴木このみ | |||
2017DAY2 | 三森すずこ | スフィア | |||
2017DAY3 | ミルキィホームズ | ZAQ | |||
2018DAY1 | 山崎エリイ | Poppin’Party | |||
2018DAY2 | fhána | TrySail | |||
2018DAY3 | 鈴木みのり | 鈴木このみ | |||
2019DAY1 | 如月千早 feat. ピアニート公爵 | 三森すずこ | |||
2019DAY2 | 栗林みな実 | アイドルマスター SideM | |||
2019DAY3 | buzz★Vibes | 放課後ティータイム |
前半トリはその名の通り前半の締めくくりとして知名度や経歴が長い人気アーティストが多く見られます。
まずはトリ、もしくはトリの近辺を担当した経験のあるアーティストです。2011年日曜のJAM、2015年の茅原といったトリ経験者、2013年土曜や2016年日曜の栗林、2016年のMay'n、2015年土曜や2017年土曜のスフィア、2017年金曜や2018年日曜の鈴木このみといった面々がいます。
次に人気や実力はあるが比較的若手に位置するアーティストです。2014年日曜のLiSA、2018年金曜のPoppin’Party 、2018年土曜のTrysail、2019年土曜のアイドルマスターsideM等です。この中間ぐらいの位置にいるのが2017年日曜のZAQや2019年金曜の三森すずこです。経歴的には鈴木このみもこのぐらいになるのですがトリ前を経験したことがあるので最初にしました。つまりそこまで明確な線が引かれているわけではないです。
別パターンとしてはシークレットでの出演者が前半トリを担当する場合もあります。2012年土曜の森口博子や日曜の織田哲郎、2013年日曜のcoda、2019年日曜の放課後ティータイムといった面々がいます。前半のラストに相応しいサプライズという事でしょう。またあまりにも大物すぎて後に続くアーティストの雰囲気が持っていかれないようにという配慮も見受けられます。実際2019年のHTTの後は休憩を挟まなければJAMでもきつかったと感じました(体感)。またJ-POP系のアーティストは初出演で前半のトリを担当する事もあります。2011年土曜のBREAKERZや2013年金曜のFLOW等です。これもアニメ界隈での知名度の高さがなせるものでしょうか。
また前半トリの1つ前の出演者には初か二回目の出演となるアーティストと比較的経歴を積んだアーティストにほぼ二分されます。前者には2013年土曜のアイドルマスターミリオンスターズ、2015年土曜のSCREEN mode、2015年日曜のfhána、2017年のOxT、後者には2011年日曜の石川智晶、2017年日曜のミルキィホームズ、2019年土曜の栗林みな実が当てはまります。また初出演と言っても経歴や知名度がある人やシークレット出演者が来ることがあります。2013年金曜の串田アキラ、2014年土曜の堀江美都子、2016年金曜の玉置成実や同年日曜の鮎川麻弥、2019年金曜の如月千早 feat. ピアニート公爵(実質アイドルマスターと一緒にしても問題無いでしょう)といった面々です。
4:後半トップとその次の出演者について
さてここからは後半について見ていきましょう。まずは前半と同じく後半のトップとその1つ後、そしてトリ近辺を見ていきましょう。
まずは後半トップから。
後半1番手 | 後半二番手 | ||||
2011DAY1 | fripSide | ささきいさお*13 | |||
2011DAY2 | エリオをかまってちゃん | GRANRODEO | |||
2012DAY1 | LiSA | ALTIMA | |||
2012DAY2 | 初音ミク | 後ろから這いより隊G | |||
2013DAY1 | μ's | nano.RIPE | |||
2013DAY2 | angela | 七森中☆ごらく部 | |||
2013DAY3 | ST☆RISH | 喜多村英梨 | |||
2014DAY1 | 流田Project | petit milady | |||
2014DAY2 | 地獄の沙汰オールスターズ 阿仁尊地獄篇 | ピーチ・マキ/アイドルマスター | |||
2014DAY3 | プリキュアサマーレインボー! | μ's | |||
2015DAY1 | ももいろクローバーZ | いとうかなこ | |||
2015DAY2 | 3年E組サマ担 | 七森中☆ごらく部 | |||
2015DAY3 | ゆいかおり | Wake Up, Girls! | |||
2016DAY1 | デーモン閣下 | Zwai | |||
2016DAY2 | fhána | 大橋彩香 | |||
2016DAY3 | batta | THE DU | |||
2017DAY1 | Roselia | 西沢幸奏 | |||
2017DAY2 | キラキラ☆プリキュアアラモード サマーセッション | 鈴村健一 | |||
2017DAY3 | B-PROJECT | Wake Up, Girls! | |||
2018DAY1 | いとうかなこ | Zwai | |||
2018DAY2 | 悠木碧*14 | 内田真礼 | |||
2018DAY3 | 麻倉もも | 雨宮天 | |||
2019DAY1 | オーイシマサヨシ | ReoNa | |||
2019DAY2 | スタァライト九九組 | 亜咲花 | |||
2019DAY3 | JAM Project | 小倉唯 |
こちらでは作品ユニットが目立ちます。前半を一度終えての仕切り直し、かつ独自の世界観を持つ作品ユニットは流れの中盤に置くのが難しいのか前半も後半も頭の方に置かれる事が多いです。また2016年金曜のデーモン閣下→Zwaiのテラフォーマーズ繋がり、2016年日曜のbatta→THE DUのジョジョ繋がり、2018年日曜の麻倉もも→雨宮天→(表にはありませんが)夏川椎菜のトラセソロ繋がりといった繋がりを意識して配置する場合もあります。
少し特殊な例なのが2014年土曜です。この日の後半頭のセトリは
21 |
開け!地獄の釜の蓋 |
地獄の沙汰オールスターズ 阿仁尊地獄篇 |
22 |
キャラメル桃ジャム120% |
ピーチ・マキ |
23 |
地獄の沙汰オールスターズ 阿仁尊地獄篇(ピーチ・マキ含む) |
|
24 |
READY!! |
という行ったり来たりの構成であり、地獄の沙汰オールスターズ 阿仁尊地獄篇とピーチ・マキが同じ「鬼灯の冷徹」からの出演と言う事で表も同一に扱うか否か、どちらにも対応できるようにしてみました。
続く後半二番手には作品ユニットは少なく1年に1組あるかないか程度です。初出演でここに配置される人も少なく、1回は出演経験のある人で抑える傾向が高いです。
5:トリとその近辺の出演者について
そしてトリその前の終盤3組を見ていきましょう。
ヘッドライナーたるトリに続いていくのですから、当然ながらその日の中でも人気・実力が上位となるアーティストが多く出演しています。2010年までの休憩が無かった時代には初期のアニサマを支えた人気アーティストである奥井雅美、米倉千尋、ALIPROJECT、栗林みな実といった面々の名が並んでいます。このころはアニソンアーティスト無双ですが、水樹奈々は不動のトリです。全出演者の中で一番の動員力ですからね。
2009年ごろから茅原実里、田村ゆかり、May'nといった07~08年世代の人気アーティストの名が出始めます。特筆すべきなのは2010年土曜のトリの前々を担当しているスフィアです。実はシクレを除くアーティストの中で初出演がこの位置、かつその後も継続して出演しているのはスフィアのみです。またその後に出演したGRANRODEOもそれまで真ん中寄りの位置で出演しましたがこの年いきなりトリ前に抜擢されるという采配となりました。このころから水樹以外の声優アーティストや声優ユニットがトリ近辺にも姿を見せ始めます。
またこの時代2007年の高橋洋子、2010年日曜のKOTOKO、2011年日曜のT.M.Revolutionとシークレット出演者はトリ近辺に出演する事が多く、ここからトリの水樹奈々やその前のJAM Projectへ繋げていくという流れが初期のアニサマにはありました。JAM水樹の存在感がそれほどまで大きかったと言えます。
そして2012年に入るとトリ近辺はベテランから人気若手まで様々な実力派アーティストが入り乱れるようになります。2013年土曜のトリとなったGRANRODEOを始め、2013年土曜にソロとしては二度目の出演にしてトリ前を任せられるようになったLiSA、初期の出演では序盤を、13年土曜は後半トップを、そして14年土曜はトリ前を任せられるようになったangela、その他にもOLDCODEXや藍井エイルといったトリを担当する事となるアーティストが2012~14年の間にこの辺りを担当する事となります。なおトリ近辺の声優ソロアーティストは殆どがキングレコード関係者であり、そこ力を感じさせます。
2016年頃からは若くして人気の高いアーティストがこのあたりを担当する事となります。OxT、内田真礼、鈴木このみ、TrySail、アイドルマスター ミリオンスターズ、fhána、蒼井翔太、Poppin’Party・・・その多くがデビューから5年程度で(鈴木このみのみ庫の中では少し芸歴が長いですが)トリ近辺を任せられる人気と実力を併せ持つアーティストです。またこの時期から作品ユニットが本格的にトリ近辺に名を連ねる事となりました。相対的にアニソンシンガー、アニソンアーティストは少なくなってきていますがほとんどの日のトリ近辺には1組はいます。近年は声優ばかりのアニサマと言われていますが、重要な点をアニソンシンガーが押さえているのは流石と言えます。
ちなみにJ-POP、J-ROCK系の一般アーティストは初出演でこのポジションを担当する場合は多く当てはまります。アニメファンにも一般層にも知名度が高く大規模会場の経験も多いアーティストは初登場でこの位置を担当する事が多くなります。(そしてそれ以来出演しない事も多いです。)またスフィアやAqoursのように初出演時既にかなりの人気があるアーティストの場合も初出演でトリ近辺となる事があります。
そして最後にトリを見てみましょう。これまで第一章でアニサマ15年の流れを見てきたように、2005年~2007年までのトリは水樹奈々が一貫して、そして2008年から2011年まではJAM Projectと水樹奈々の両者がそれぞれ土曜と日曜の(08年のみ逆)トリを担当してきました。このシリーズで何回も説明したように、アニサマの立ち上げ以来最も重要な位置にいたキングレコードとランティスに所属する二組がトリを担当しており、2012年にJAMが卒業宣言をし水樹が出演しなかった時にもトリを担当したのはキングレコードの田村ゆかりとランティスの茅原実里でした。2013年にアニサマが3日間に拡大すると初日の金曜を茅原が、二日目の土曜をGRANRODEOが、三日目の日曜を水樹が担当するようになり、比率としてはランティスが多くなります。
このキングレコードとランティスがトリを独占していた形が崩れたのが2014年でした。この年金曜のトリをT.M.Revolutionが担当し、これが初のソニー系列からのトリとなりました。なおTMRは初の、そして現在に至るまで唯一のアニソン業界以外からのトリとなります。そして土曜はロデオが、日曜は水樹がトリを担当しこれにより3日間のトリがソニー、ランティス、キングときれいに分かれるようになりました。翌年2015年のトリは金曜がソニーのLiSA、土曜がキングのangela、日曜がランティスのロデオと同様に分かれました。
2016年には金曜のトリをアイドルマスターシンデレラガールズが担当し、日本コロムビアから初のトリとなりました。またこれが作品ユニットからは初のトリとなりました。また土曜をLiSAが、日曜をangelaが担当し、ランティスはこの年トリを担当しませんでした。
2017年には金曜をロデオが2年ぶりのランティスのトリとなり、土曜はfripSideがNBCから初のトリとなり、日曜は水樹奈々がトリを3年ぶりに担当し、この年はソニーが担当から外れました。
2018年には金曜にOLDCODEXが初のトリとなり、土曜はロデオが、日曜はJAM Projectが担当するという、初めてランティスが3日間のトリ全てを担当、かつ全て男性アーティストする事となりました。
そして2019年には金曜のスフィアと土曜のAqoursといった2組のランティスのアーティストが、そして日曜は藍井エイルがソニーとして初の大トリを担当しました。この年はトリ3組が全て初めてのトリを担当し、かつ全て女性アーティスト、またJAM Project、茅原実里、angelaといった過去のトリ経験出演者が1組もトリを担当しないというアニサマの新たな形を示す年となりました。
5.5:主要パート担当アーティストから見るアニサマのトリの条件
えー、記事をアップしてから数か月経過しましたが、大切なことを言い忘れていました。このセトリから見る「アニサマのトリ担当アーティストの条件」です。
「5」の表を見返してください。アニサマのトリを担当したアーティストは2019年までに14組、その内初回から出演した全ての回でトリを担当している水樹奈々を除く13組中、大半の9組がそれ以前にトリ前を担当しています。具体的に見てみますと、
・JAM Project:07→08DAY2
・田村ゆかり:11DAY1→12DAY1
・GRANRODEO:12DAY2→13DAY2
・T.M.Revolution:11DAY1→14DAY1
・LiSA:13DAY2→15DAY1
・angela:14DAY2→15DAY2
・アイドルマスターシンデレラガールズ:15DAY2→16DAY1
・fripSide:14DAY1→17DAY2
・Aqours:18DAY1→19DAY2
といった所です。この通り、アニサマにおけるトリ前の担当というのは次のトリ担当の最大のフラグと言えます。そしてこれに該当しない残り4組ですが1組ずつ見ていきましょう。
まずは茅原実里の場合です。彼女が初のトリを担当した2012DAY2の前、2011DAY1ではトリの前々の位置でした。これは2009DAY1でも同じです。
次にスフィアの場合です。スフィアも同じく2010DAY1と2013DAY3にトリの前々の位置を担当しています。またトリを担当する前の出演回である2017DAY2では休憩前の前半トリを担当しています。この2組の場合、トリの前々を担当しているという共通点があります。なのでこれはトリ前に次ぐトリ担当のフラグと言えます。ただしスフィアは前半トリも担当していますので、こちらのフラグもゼロとは言えません。
そしていずれにも当てはまらないのがOLDCODEXと藍井エイルです。OLDCODEXは2018DAY1に出演する1つ前の出演年である2014DAY3ではトリの3つ前を担当していました。そして藍井エイルは2014DAY1で同じくトリの3つ前を担当し、その次の出演となった2018DAY1でOPコラボの次を担当し、そしてそのまた次の2019DAY3でトリを担当しました。この2組のトリの3つ前担当が、トリ前、トリの前々の次ぐトリ担当の条件と言えます。
よってアニサマのトリを担当するアーティストの条件としては優先順位として
1:トリの前を経験する
2:トリの前々を経験する
3:トリの3つ前を経験する
があります。それ以外では休憩前を担当したスフィアとトップバッターを担当した藍井エイルがいますが、それぞれ2と3の条件を満たしており、それぞれ他に例が無いのでそこまで考慮する必要はあまり無いと考えられます。また1に該当するアーティストであってもトリを担当した事の無いアーティストもいる為、100%のフラグと言うわけではありません。
ちなみに昨年出演していなくてもトリを担当するという事は(特に人気アーティストほど毎年出演する事が少なくなってきている近年のアニサマでは)よくあります。前回出演からトリを担当するまで一番時間の空いたアーティストはOLDCODEXの4年です。これもトリ担当の条件と言っていいかもしれません。
次回の記事から、さらにトリの条件を絞り込んでいこうと思います。
6:映像販売担当とトリの関係について
よくアニサマのトリを予想する際に言われるのが「アニサマ映像の販売担当会社が翌年の大トリを担当する可能性が高い」という事です。本当にそうなのか、実際に見ていきましょう。
アニサマの映像販売担当は以下の通りになっています。
アーティスト | レーベル | 映像販売担当 | ||||
2006年 | 水樹奈々 | キングレコード | ビクター/キングレコード | |||
2007年 | キングレコード(発売のみランティス) | |||||
2008年 | JAM Project | ランティス | キングレコード | |||
2009年 | 水樹奈々 | キングレコード | ||||
2010年 | ||||||
2011年 | ||||||
2012年 | 茅原実里 | ランティス | ||||
2013年 | 水樹奈々 | キングレコード | ||||
2014年 | ランティス | |||||
2015年 | GRANRODEO | ランティス | ソニー | |||
2016年 | angela | キングレコード | キングレコード | |||
2017年 | 水樹奈々 | ランティス | ||||
2018年 | JAM Project | ランティス | ソニー | |||
2019年 | 藍井エイル | ソニー | キングレコード |
ご覧の通り長年キングレコードが独占してきていましたが、2014年からランティス、ソニー、キングレコードの3社が持ち回りで担当しています。また映像制作はこの3社に加えアニサマ運営にかかわるMAGES.が加わり4社が共同で行っています。
トリとの関係を見るとランティスが発売を担当した2007年の翌年がランティスのJAMという点はありますが、キングが製作した2011年の翌年の大トリはランティスの茅原実里と関係は無く、むしろアニサマにおけるキングレコードのパワーを象徴しているというのみに見えます。この法則が現れたのは2014年に三社持ち回り方式になってからです。2015年の販売がソニー→2016年の大トリはキングのangelaという時を除きこの点は当たっているように見えます。ただしこの2014年はアニサマそのもののトリのバランスが変化した年でもあり、単に3社が大トリを務められる人気アーティストを多く擁している、というだけかもしれません。
いずれにせよ今年、2020年の大トリがキングレコードから来るのかどうかはまだわかりません。
7:まとめ
と言うわけでアニサマ主要パートについてまとめてみたのですが・・・なんともまとまりのないまとめになりました。
近年の傾向ではOPコラボ→作品ユニットor新人からスタート、時々トリクラスが来る→なんやかんやでライブが進む→中堅所or人気の若手アーティストが2組ほど出て前半終了、たまにここらへんでシークレットあり→後半も作品ユニットからスタート→若手、中堅所のアーティストが後半二番手、そのぐらいのアーティストが主として後半は進む→トリの3組前ぐらいから武道館クラスの人気や勢いのあるアーティストが登場→アリーナクラスの人気アーティストがトリ
だいたいこんな感じです。と言っても出演者によって構成は色々と変わりますし2014年や17年のような出演者が比較的大物が多い場合は惜しみなく人気アーティストを配置できますからこのパターンには当てはまらないんですけどね。
まあ今後アニサマのセットリストを予想する事がありましたら大体この人はここに来るかなー、ぐらいの気持ちで今回の記事を思い出していただけたら幸いです。
今回も見ていただいてありがとうございました。
次回の更新もよろしくお願い致します。
目次代わりの記事→Animelo Summer Live15年史勝手に分析 0
最初のシリーズ→1-1:アニサマ15年と2005~07の概要
次のシリーズ→2-1:アニサマ出演者音楽レーベルについてその1(ランティス)
このシリーズの次回の記事→3-2:コラボ&カバー曲から見るアニサマアーティスト
*1:声優としての活動もしていますが現在ではほぼアーティスト活動のみとなっていますのでアニソンシンガー扱いとします
*2:蒼井エイルの病欠に伴う代打出演
*4:同日にコラボ曲を出したWake Up, Girls!が出演
*5:同日に復帰曲がOP担当だった作品のEDを担当したレン(楠木ともり)が出演
*6:けものフレンズ with オーイシマサヨシ→Roselia
*7:KING OF PRISM→ソロ
*9:てさプルん♪→ソロ→つん♡へご
*10:Poppin’Party→ソロ
*11:ウマ娘 プリティーダービー→ソロ
*12:アニソン歌手活動が先かつ現在でも主であるが、声優としても多くの作品に出演しているので声優アーティストとします
*13:アニソン歌手としての活動が有名ですが、現在に至るまで著名なアニメ作品や映画吹き替えに出演しているので声優アーティストとします