一見野郎のこれは個人の感想です

こちらは私、一見野郎が周りに気を適当に使いつつアニメ・アニソン・読書等の雑談をするブログです。

幕張と富士急とアニソンフェスと

5月に行ったイベント2つは無事終演し、イベント生活も完全復帰だと思いながらも次の本格的ライブイベントは7月中旬まで無い日々を過ごす自分のブログを読んでくださっている皆様、お疲れ様です。

今回の内容がないような内容は2つです。帰結する所は同じなのでしょうが。

 

1:バンナムフェス2ndに参加しての感想

2020年開催予定だったはずが流れに流れて、5月14・15日に開催となったバンナムフェス2nd開催直前まで天候など様々な不安点がありながらも、終わり良ければ総て良し、素晴らしいフェスとなりました。

前回との大きな違いは、二日間とも同じフェス形式となった事です。1st2日目のいつだれが出てくるかわからない方式ではなく、1st初日のアーティストの出演場面が完全に分かれているリスアニと同じ方式が2日間とも採用されていました。これは1stがアイマスは両日共通、初日にテイルズ・ガンダム等、2日目にアイカツラブライブ等と作品毎に分けていたのと異なり、2ndではコンテンツを両日まんべんなく分けていくようにした事によります。

そして前回以上に、脱・実質アイマスフェスとなるよう配慮されていました。1stは2日間で47/82曲、57%がアイマス関係楽曲だったのに対し、2ndは40/92曲、43%に下がっていました。勿論割合が大きく、ヘッドライナー的立ち位置にいる事は変わりませんが前回はトリの担当が初日がSideM、2日目が765AS(順番的に最後の楽曲を担当したというわけでアーティスト単位のトリとは言い難い面もある)と両日アイマスからだったのに対し、初日がシンデレラ、2日目はTMRと片方だけになりました。

そしてアイマス15周年を記念するユニットである初日のスターリットシーズン、2日目のFIVESTARSを終盤のトリ等重要な点に配置せず、あくまで参加アーティストの1組として扱ったのもアイマスと他作品のバランスを取るための配慮を感じました。多くの施策を潰された15周年、延期に延期を重ねてついにお披露目となった場、可能ならば晴れ舞台に相応しい立ち位置を用意したかった関係者もいたと思いますが、幅広いバランスへの配慮を優先した判断は称賛に値します。

コンテンツ・出演者は皆さんとても素晴らしかったのですが、自分が言及させてもらうのはラブライブ関係とTMRについてです。

アイマスと並ぶバンナムのアイドルコンテンツでありながら前回は1組の身、しかしながら強烈な印象を残したラブライブから、今回は現在稼働中の3シリーズから出演となりました。2nd発表時はまだ誕生しておらずデビューからも1年ほどしか経っていないながらも数多くのステージを経験しフレッシュさと実力を見せつけたLiella!、今回唯一の両日出演となり、個性の強さを見せつけたニジガク、そして当初の発表からは人数を減らしながらも、圧倒的なステージを見せつけたAqours

特にAqoursはメンバー数が全体の半分以下にも関わらず、当初の予定を覆す治安の悪いセトリでプロデューサーをボッコボコにしていました。ラ!のお偉方実質アイマスフェスとかと思って手を抜いていない・・・?と少しでも思っていた自分の不明を恥じるばかりです。明るいアイドルソングの印相が強いAqoursの印象を覆すぶち上げセトリを持ってきて下さり、19年ごろの「フェスに弱いAqours」を完全に過去の物としてくれました。紅白出演を果たし二度目の東京ドームワンマンを控えた伝説の後継者の実力、この目に焼き付けさせていただきました。静岡県民的には色々な恩義と約1年前の騒動による申し訳なさもあり、今更ながら一度しっかりと見てみたいと思います。

今回の立ち位置も後に控えた2組が「あのμ'sとも共演しラブライブ!シリーズ誕生にも大きな影響を与え、キャストにもプロデューサーがいる765AS」「サンシャインのプロジェクト初期から応援を公言しており、過去に共演経験もあるJ-POPの生ける伝説TMRという大先輩であり、かなり気合を入れたステージだった事を感じられました。バンナムフェス3rd(仮)では是非フルメンで来てほしいものです。

そして大トリとなったTMR。正直開催前まではトリでは無いと思っていました。前回ラストの全員登場演出に合う曲が無いというのがその理由なのですが、初日配信で今年は全員集合が無いという事がわかったのでワンチャン‥・ぐらいな気持ちでした。

贔屓もあるのですが、T.M.Revolutionデビュー26年目初の有観客の舞台に2年以上延期となったフェスの大トリを任せてくれる事に対しては感謝しかありません。そして延期の度にスケジュールを合わせてくれた兄貴にも感謝しかありません。

MCも笑いを誘う者から作品とそれを支える人への感謝、トラブルを利用してのイナズマロックフェス開催のご報告からのSideM出演、そしてイナズマ委員会へのバンナム参入という衝撃的な発表まであり、トーク面でも流石にベテランの力量を感じさせました。

そしてアーティストとしてのステージはお馴染みのINVOKEにignited、有観客ライブとしては10年ぶりほどになる「Imaginary Ark」、そして90年代レジェンドバンドのメンバーを従え、バックにリアル花火と映像の中の花火と化したハイネを背負いながらの「Zips」。4曲ながらも圧巻の大トリでした。次回は劇場版SEEDを引っ提げてまた来てください。

さてあえて今回のフェスの不満を述べるなら、どうしようもないとはいえ尺が足りない所でしょうか。シャニのメドレーはやっぱりフルで聴きたかったです、どうしようもない事は重々承知と言え。後やっぱりマスピは聴きたかったですよね、トリでは無かったとはいえ。ここらへんの不満が-10点で最終的には百点満点中10万点ぐらいのセトリでした。

なのでもう計画だけならありそうなバンナムフェス3rd(仮)は公演時間6時間越えでお願いします。10年前のぐらいのANIMAXMUSIXは2日間各7~8時間ぐらいやってたから!

後は全曲生バンド付きとか、アイドル系作品のユニットはフルメンで集めて欲しいとか、テイルズガンダム系からはアニソンフェスでは見られない豪華アーティストを厚得て欲しいとか、今回の野外ライブはとても素晴らしかったのだけどそれはそれとして次回はまた東京ドームでやってほしいとか、欲を言えば切りがありませんが、金なら出すのでよろしくお願いしますバンナムさんとしか言えません。

関係者・出演者の皆様、本当にありがとうございました。

・・・「Zips」に「Fate of the world」、聴けて嬉しかったです。

 

2:D4DJフェスの水樹奈々出演から生まれた愚痴

昨日今日、富士急コニファーフォレストで開催されたD4DJに水樹奈々が出演しました。それなりのアニメファン・アニソンファンとしてはこれがどれだけ異例な事かわかると思います。新人時代ならばいざ知らず、水樹奈々がこの手のコンテンツに参加しライブ出演する事自体非常に稀であり(近年ではプリキュアぐらい)、キングレコード関係以外のフェスに出演する事も非常に稀なのです(アニサマにも5年以上出演していない)。今年の超次元音楽祭出演が☆5のウルトラレアケースです。

この出演が実現した理由に、D4DJの運営元であるブシロード水樹奈々の所属レーベルであるキングレコードと関係が良好である事があります。ヴァンガードシリーズ等ブシロード関係アニメの主題歌を何度もキングレコード所属アーティストが担当していたり、バンドリやD4DJではキングレコード所属アーティストの楽曲が多くカバーされていたり、キングレコード水樹奈々の代表作である「戦姫絶唱シンフォギア」のソーシャルゲーム戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」はブシロード系列企業のブシモから配信されています。このように両社は密接な協力関係にあります。ブシロード(響)の看板声優である愛美が声優アーティストとして再デビューしたのはその象徴でしょう。

そしてこのフェスに参加した観客からは水樹奈々を初めて見た」「水樹奈々は実在したんだ」という感想が多く見られました。比較的古いオタクである自分から見ると微笑ましいものですし、新しいアーティストとの出会いという意味では非常に素晴らしい事ではありますが、これはキングレコードから見ると必ずしもいい事ばかりではありません。何故ならこれは「D4DJのようなコンテンツに集まる若年層のファンの獲得を、水樹奈々の運営が獲得できていない」という事の証明でもあるからです。

水樹奈々がアニソン界における生けるレジェンドである事については言うまでもありません。00年代後半から10年代前半において次々と前人未踏の記録を打ち立てた英雄であり、彼女がいなければアニソン業界の歴史は10年ほど遅れたものになっていたでしょう。一方で彼女がもはやアニソン界の絶対的女王ではないのも確かです。アイマスラブライブ、LiSAといった大人気アーティスト・作品ユニットはファンやライブの規模・記録において彼女に肩を並べ、部分的には上回るものも現れました。

以前の記事でも書きましたが、2014年辺りを境に「コンテンツ*1としての水樹奈々」はピークを迎えており、現在に至るまでCDの売り上げはだんだんと落ちており、ツアーファイナルのドーム・スタジアム級の会場での公演も2日から1日になりました。一方で水樹奈々個人のポテンシャルである歌唱力・体力は落ちるどころか逆に強化されているようにも感じられます。現在に至るまで水樹奈々が絶対的女王ではなくても声優アーティストのトップに位置する理由は、「個人としての水樹奈々」がパワーアップされ続けている事と、今まで築き上げたものが大きすぎ、多少減ったとしても未だに巨大な存在である事によります。

ではなぜ若年層の新規流入が難航しているのか、というのは3つほど理由があります。第一にキングレコードが若年層に現在まで続く長期継続人気コンテンツを水樹奈々に提供できていないためです。リリカルなのはのアニメはTVシリーズは15年の「vivid」を最後に、劇場版も17年・18年に製作されたのが最後です。10年代の代表作であるシンフォギアTVシリーズが完結しました。どちらもソシャゲなどで続いていますが、ソニーにおけるSAOや鬼滅(こちらも原作は完結していますが、アニメシリーズはまだ数年続けられる)、バンナムにおけるアイマスラブライブのような長期人気作品と比較できるほどの展開ではありません。冗談ではなく10年代後半におけるキングレコード最大のヒット作はポプテピピックなのです(ただしキングレコードの女性人気が主体の作品としては、00年代末から現在まで続くうたプリ、10年代後半からの作品であるヒプマイなど強力なコンテンツがある)。

第二に水樹奈々と新規層が出会う機会と場所が無い事です。前出の通り水樹奈々はアニソンフェスに殆ど出ません。2014年までは1回を除きアニサマには毎年出ていましたが、それ以降は17年を除いて一度も出演していません。そしてそれ以外のアニソンフェスにはキングレコードの身内であるキンスパ等を除いて殆ど出ていません。繰り返しになりますがそれほど今年の超次元音楽祭の出演は異例だったのです。これについてもここ数年の水樹奈々の勢いのペースダウンに加え、2年の社会情勢とイベント中止による打撃による影響があってのものでしょう*2

もちろんフェスに出ていないからと言ってアーティスト活動をしていないわけはなく、毎年のようにツアーで全国を飛び回りドームやスタジアムに何万人も集めています。他にもテレビの音楽特番での出演も多く、若年層にも水樹奈々とその曲を知っている人は多くいるはずです。

しかしアーティストとしてフェスに出演しない事により、直接的にアーティスト・水樹奈々に触れる若年層は確実に減っています。事実年始のライブでも10代・20代のライブ参加者は少数でした(当時の情勢の影響もありますが)。これはキングレコードと仲の良いブシロードが節操のないゴリ押しと叩かれながらもあちこちでバンドリをプッシュした事により、一大コンテンツに成長させたのと真逆です。いくら水樹奈々のポテンシャルが高くなっても、出会いの場が無ければそれを生かす事は出来ません。

第三にキングレコードが今の社会情勢に上手く対応できていない点もあります。

声優アーティストのワンマンライブ再開もフェス出演も2021年後半という業界では最も後ろになっただけでなく有観客ライブの配信はディレイ配信のみ、フェス出演時の配信はANIMAX MUSIX小倉唯等一部を除けば超次元音楽祭等のようにレーベル単位でNG、一応キングレコード外のイベントであるD4DJフェスでも出演パートは配信NG、ついでに過去を思い出すとアニサマがニコニコで配信していた時代でもNG・・・

配信そのものをしない事が悪いわけではありません。fripSide(phase2)のファイナルツアーのように重大な節目でも配信をしなかったアーティストもいます。そもそも配信は費用対効果が悪く次に繋げる為の苦肉の策という点もあり、費用的な面で配信を行わない、行えないというのも尊重されるべき判断の一つです。

アニサマのように金銭面だけではなく権利の面で配信が不可能というケースも尊重されるべきです。アニサマ運営が批判されたのはそこらへんをしっかり説明すべきだったのをアーティストが望んでいないという愚劣な言い訳をしたためです。

しかし権利者であるキングレコードがここまで露骨に配信に後ろ向きな態度を取っていては反感を買うのも当然です。これなら最初から出すなと思われても仕方ありません。

はっきり言って現状のキングレコードの方針は水樹奈々の足を引っ張っていると言われても仕方のない面があります。

ヒット作の主題歌を提供できないのは努力だけではどうしようもないとして、フェスには出ない、重い腰を上げて出すようになっても配信は後ろ向き、若者の新規顧客獲得チャンスを提供したのは自分達ではなくブシロード・・・かつては日本一のアニソンレーベルであったキングレコードの現状がこれと言うのは、何とも寂しい限りです。

ちなみに水樹奈々はチケット代が高いので新規が入らない、という声もありますが、他アーティストやコンテンツと比べても極端に高いわけでは無いわけではありません(昨今はチケット代がどこも高くなっている問題はありますが)。

今回の水樹奈々の主な会場である1万人前後のアリーナクラス模会場でのアニソン関係ライブと比較して具体的に表にしてみました。なおプレミアムシートのような前方確約の高額席は除外しており、手数料や各種会員費、先行申し込みチケット入りCD代等は入れておりません。

名前

主な会場

金額

水樹奈々

日本ガイシホール神戸ワールド記念ホールさいたまスーパーアリーナ(2022年)

9900円

Aqours

ぴあアリーナMM(2021年)

10000円

アイドルマスターシンデレラガールズ

日本ガイシホール(2022年)

10000円

Roselia

富士急コニファーフォレスト(2022年)

9900円

LiSA

日本武道館(2022年)

9999円*3

宮野真守

ぴあアリーナMM(2021年)

9000円

D4DJ

富士急コニファーフォレスト(2022年)

9000円

GRANRODEO

代々木第一体育館(2022年)

9500円*4

水瀬いのり

横浜アリーナ(2021年)

8800円

Trysail

代々木第一体育館(2021年)

8000円

確かに全体的には高めですがアイマスラブライブ、LiSAといったトップレベルの人気を誇るアーティストと大して差はありません。コンテンツライブはCDを積んだりFC会員にならないと最後までご用意されない事を考えると高すぎず低すぎずといった所でしょうか。

というかトラセこんなに安かったんですね(

 

水樹奈々個人は生ける伝説となった今でも気さくでフレンドリー、後輩にも優しくフットワークも軽い人格者、アニサマの選曲を除けば完璧超人なので、そんな人の足をレーベルが引っ張るのはやめてあげなよ・・・と思います。他にもあの人に憧れてステージまでたどり着いたらその人はもうフェスに出ない方針になったとか、フェスでの出会いによって新しい曲が誕生する可能性が摘まれるとか、そういう今のアニソンフェスの風潮が心底気に食わないので(お気持ち)

一応キングレコードを擁護しておくと、この「売れなくなるとフェスに出なくなる」方針はキングに限った事ではありません。ここ2年程のLiSAもそうですし、JAM Project辺りも一時期アニサマに再出演していましたが、再びフェスに出ない事による客離れが起きています。アイマスラブライブもこの兆候が見られますが、バンナムが自前のフェスではあるけれどもレーベルに縛られないバンナムフェスを開催する事で相互の新規開拓をしています。

こういう風潮に反してコンテンツホルダーの権利と資金力(こっちは昨今の状況で苦しい所がありますが)を利用してバンナムフェスを作り上げたバンナムの評価が自分の中では鰻登りなのですが、コンテンツホルダーとしての限界はあるのでアニメ・アニソン関係に理解があり非常に儲かっている企業がksデカアニソンフェスを開催してほしいものです、サイゲとか!!

 

3:結論

レーベル各位は所属アーティストのワンマンライブは勿論の事、フェス出演にも力を入れてくれ!

俺らも出来ればでいいから配信があっても可能ならば現地に参戦して、少しでも金を落とそう!

 

*1:CDの売り上げ等の商品的価値という意味であえてこういう書き方をします

*2:ただしフジテレビと水樹奈々は長年に渡る友好関係を築いており、これによる影響も無視できない。

*3:缶バッヂ付き

*4:特典付き