一見野郎のこれは個人の感想です

こちらは私、一見野郎が周りに気を適当に使いつつアニメ・アニソン・読書等の雑談をするブログです。

この先生アニソンシンガーはきのこれるのか

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」良かったよね!(1ヶ月半過ぎてしまった新年のあいさつ代わりに)

 

いやー本当に良かった!あの時純粋に楽しんでいた人、引っかかりながらも、モヤモヤしながらも楽しんでいた人、複雑な感情を抱いていた人、好きだったけどだんだんと心が離れてしまっていた人みんなが楽しんでいる!

思いっきり大活躍して大暴れするシンとデスティニー!ブレない迷わない強いと三拍子揃っているのに何故か奇行に走って笑えるアスラン!そして「DESTINY」での悟りきったような描写は必死に頑張っていただけで本当は傷つき苦しむ人間であり、時に感情を露わにしこれでもかと弱さを描かれ、それを乗り越え互いに再び分かり合ったキラとラクス!

他にも直接的・間接的に過去のSEEDシリーズから出てくるあの用語この用語、あのキャラこのキャラの描写!にSEEDシリーズが好きな人、好きだった人、そして嫌いだった人まで見て欲しい!

 

・・・さてこの作品の主題歌「FREEDOM」を歌うは西川貴教、今回は個人名義ですが、ガンダムSEEDシリーズではT.M.Revolution名義で「SEED」初代OP「INVOKE」、「DESTINY」初代OP「Ignited」等々を担当しています。そんなガンダムSEEDも放送開始は2002年秋なのでもう21年半ほど前の作品になります。当時は一般アーティストがTVアニメの主題歌を担当する事については様々な方面から歓迎されない傾向がありました。ファン側からは作品に合っていないタイアップを押し付けられ、制作側からはドラマなどと比べると「格が落ちる」作品であるアニメに媚びを、魂を売っているとみられていたからです。

しかしそれ以降少しずつ、一般アーティストがアニメ主題歌を担当する中でも変化が起きていきました。挙げていくとこんな感じになるのでしょうか。

・アーティスト側からのアニメに合った楽曲を作っていこうという意識の変化

・アニメ視聴者側の作品を楽しむ中で楽曲がたとえアニメソング歌手によるものでなくとも、作品に合って共に楽しめるものならいいのだという意識の変化

・アニメや漫画が堂々と楽しんでいいものなのだという若者を中心とした社会全体の意識の変化

・アニメの広まりやヒットによるマスメディア内での文化の一つとしての取り上げられ方の変化

・当時1人のファンやオタクとして楽しんでいた若者が成長し、様々な分野においてコラボといった形でアニメや漫画を文化の一つとして取り入れていく変化

・アニメファンが一般層にも広がっていった結果、アニメを見る層が増えていった変化

・アーティスト側も漫画やアニメを見て楽しんでいた世代の人間がアニメに楽曲提供するようになり、アニメ作品の為の楽曲を作り上げるようになった等の変化

この結果ガンダムSEEDから20年以上が経過した現在、日中に放送される一般向けアニメだけではなく深夜帯に放送される作品の主題歌にも一般アーティストの起用が当たり前になっています。それも元々あった楽曲を持ってきたのではなく作品の為に作られた楽曲を用意するように。上記に描かれているようにアーティスト側からも作品に対する意識やアニメが好きな世代への変化が起こっているからです。

一方視聴者の方も20年前と比べて特に問題もしません。20年も経てば一般アーティストがアニメ主題歌を担当するのが当たり前な世代がアニメファンの多くを占めており、その世代を含めてアニソン歌手でなくともちゃんと作品に合った主題歌を作ってくれるのならば問題無いからです。

一方でこういった風潮に反発するアニメファンも未だおり、特にここ数年、一般アーティストが深夜放送アニメの主題歌を担当する事が目立ってきた2020年ごろから再度見受けられるようになりました。これは単に楽曲が作品に合っているか否かだけの問題ではありません。

その問題は「専業アニソンシンガーの仕事が奪われる」という問題があります。アニメの放送作品数は年々増えており今ではBSやネット配信の影響もあって、首都圏でない地方であっても、日本中どこでも見きれないほどのアニメを見る事が出来ます。当然アニメ主題歌もその数に比例して増えているのですが、それ以上にアニメの主題歌を歌うアーティストが増えているのです。

これまで活動してきたアニソンシンガー、新しくデビューしたアニソンシンガー、同じく声優アーティスト、作品専用に活動する作品ユニット、そして新規参入してきた一般アーティストと年々増えています。声優アーティストは数年活動したら自然にフェードアウトしてしまう方もいるので割と入れ替わりが激しいのですがアニソンシンガーは細々となっても活動を続ける人が多く増える一方になっています。また声優アーティストは声優がメインキャストとして出演する作品と紐付けされて主題歌を担当する事も多く比較的仕事が安定していますが、アニソンシンガーはそんな事も無く、安定してタイアップがあるのはヒットして長期シリーズになった作品ぐらいです。当然数は限られます。

こういった傾向からアニソンシンガーの「極々一部のファン」は他ジャンルの歌手について排他的になります。一般アーティストのアニメソングは単なるアニメタイアップでアニメソングじゃない、声優アーティストは下手な癖に顔だけで売れてゴリ押しされてる云々・・・、はっきり言って相手にするのも馬鹿馬鹿しいレッテル貼りでしかないのですが。昨今の「濃いアニソン」云々も大本の発言者の意図とは別にそういった思いを抱いている人によって拡散されたものでしょう。

私もアニソンシンガーとその曲は素晴らしいものであると思いますし黎明期からアニメとアニメソングの文化を支えてきたアニソンシンガーには大いに敬意を払っています。ですが今の現状を招いてしまったのは責任は一般アーティストのせいなのでしょうか?

厳しい事を言うとアニメソング業界は良くも悪くもビジネスです。そりゃそうです。歌手もレコード会社も仕事でやっています。好きでやっている事であってもボランティアや趣味でやっているのではありません。それを否定するのはプロとして真剣に取り組んでいる方にとっての侮辱ですらあります。

そしてビジネスである以上、結果を出す必要があります。結果というのは身も蓋も無い事を言うとセールスです。CDや配信がどれぐらい売れるか、ライブにどれだけ来てくれるかという事です。そういった点ではアニソンシンガーは声優アーティストや一般アーティストより数歩下がった所にいます。そしてその格差は年々広まっています。2010年代ぐらいまではアニソンの売り上げランキングでもアニソンシンガーは声優アーティストや一般アーティストと比べて少ないとしてもある程度ランクインしていたのですが、今では一人入るかどうかといった感じで上位は一般アーティストとキャラソンを含む作品ユニットが独占しています。

ライブについても似たり寄ったりです。確かにオーイシマサヨシやReoNaが武道館を満員にしたり(予定含む)、LiSAが毎年のようにアリーナクラスのライブをやっていたりしますがそれはごくごく一部のトップクラスのみです。大半のアニソンシンガーは良くて1000~2000ぐらいのホール、そうでなければ100人単位のライブハウスです。一方声優アーティストはトップクラスはアリーナが当たり前、そうでないそれなりのポジションであっても数千の会場でライブをし、デビューして間もない新人であっても最初からホールでやるのが当たり前です。そしてそれ以上なのが作品ユニットであり、首都圏だけでなく地方でもアリーナ級会場でやるのが当たり前です。一般アーティストに至っては売れているアニソン歌手でも行く事すらできない地方のアリーナすら埋める事が出来ます。比較対象にすらなりません。

そう考えると昨今のアニソンフェスが声優ばかりになるのも当たり前です。今年のリスアニ!LIVEは(若手中心だったとはいえ)アニソンシンガー中心の土曜は埋まらず人気コンテンツ中心の日曜が完売したという明確な格差が生まれました。去年のアニサマANIMAXも明確に声優が多くなっておりアニソンシンガーは少なくなっています。単純にエンタメ面だけ見れば正しいとは言えません。明らかにバランスが悪いです。とはいえビジネス面で言えば仕方がない事です。運営目線で言えば客を呼ばないと、儲からないと続ける事すら難しくなります。

正直な所今のアニソンファンがどれだけアニソンシンガーを求めているのかは疑問です。上記のリスアニもそうですが先日「JAPAN JAM」へ結束バンドの出演が決定し他にも今人気のアニソンを歌う一般アーティストが多数出演する事が発表された*1際に「こっちこそ本当のアニソンフェス!アニサマはオワコン!」みたいな声が多数上がるのを見ると*2結局今のアニソンファンは流行のアニソンならば誰が歌っていても良くて別にアニソンシンガーでなくてもいいじゃん、「濃いアニソン」なんて求めてないじゃん、というかアニソン数曲しか歌わないロックフェスとアニサマを比較するとか馬鹿じゃないのとしか思いません。ちなみに最後だけは私怨です()。

このまま行くとアニソンシンガーは和服のような存在になっていくでしょう。日本の伝統でハレの日の象徴、見れば風情を感じます。ですが現在の日本では和服を普段着として使用する人は圧倒的少数派です。売れている人、タイアップが安定している人は普通に地位を固めてそのまま続けられる事は出来ます。しかしそれ以外の人は続けていけるのでしょうか。大手アニソンレーベルもアニソンシンガーから声優中心にシフトする傾向があります。悲観的になりすぎるのは良くないですが、「アニソンシンガーでなければならない理由」を商業的に示さなければこの流れはさらに進んでいく事でしょう。冒頭の話題に絡めれば今のこの流れは「望まれて生まれた、世界が望んだ」のです(無理やり)。これを「必要だから愛するのではありません!愛しているから必要なのです!」に出来るかどうかはアニソンファン次第でしょう・・・まぁ去年一度もアニソンシンガーのワンマンに行っていない私が言うのもどうかと思うんですけどね!(ブーメラン

 

とまぁ暗い話題になってしまったので最後は明るい話題に修正していきたいと思います。

今年もやります、「Animelo Summer Live 2024」!

今年は8月30日(金)~9月1日(日)と、2018年以来の9月に跨いでの開催!うたプリと被らないよ!やったねロデオ(とマモ!)

今の所公開されている情報としては例年通り最速先行がアニサマ2023の円盤に封入されている事、去年のVIPシステムに加えアリーナ及びスタンド前方をそれぞれS席として1.5倍で売る事(足元見てる気がするけど運営も足元見られてるからね、金がないと何もできないからね、仕方ないね)、開催発表会は3月16日(土)にあり、その前に番組ゲスト(という名のフライング発表出演者)が発表される事ぐらいです。

ここまで課金席が広まると円盤先行だけでは埋まらずそれ以降の先行でもS席は普通に取れそうです(去年もVIP席は円盤先行以降も数席出ていた)。ある意味後から気軽に比較的良席が申し込めるのは、後から申し込むとご用意されてもアリーナ後方で1万近くとられる可能性を考えるといい事だと思います。お金はかかるけど。

後は出演者ですね。超絶大人気一般アーティストを呼べとは言わないけど今年の「ANIMAX MUSIX 2024 SPRING」並の出演者は3日間揃えて欲しいですね・・・後出演者数も増やしすぎないで、全ての出演者のファンが最低限了解できるぐらいの尺を用意してほしいですね。

・・・まぁ今回はこのぐらいで終わらせます。アニソン業界のバランスという意味ではもう少し見栄えだけでも良い感じになってほしいのですが、色々と難しいですよね。

次回はアニサマ発表会前に予想をするか、発表会後になると思います。それでは。

*1:タニタツヤとか10-FEETとか

*2:私自身は別に出る事自体に全く思う所はありません、アニソンフェスにも出て欲しいとは思う程度ですが、まあアニプレフェスに行けたので個人的には満足です