一見野郎のこれは個人の感想です

こちらは私、一見野郎が周りに気を適当に使いつつアニメ・アニソン・読書等の雑談をするブログです。

アニサマ2022在宅感想(ポジティブ編)

前回までのあらすじ

 

時の流れは速いもので、「Animelo Summer Live 2022 -Sparkle-」が幕を閉じてからもう3週間になります。

延期となった2020年、様々な問題を起こしながらもなんとか開催出来た2021年、そして様々な規制がありながらも人数制限をせず開催出来た2022年。未だ長い道のりではありますが、世の中は確実に歩みを取り戻しています。

何よりも喜ばしいのは、数名の出演中止を出した昨年とは異なりアーティスト単位では全出演アーティストが揃った事です。7月からの再流行により出演予定者からも少なからぬ感染者が出、最終的にDIALOGUE+の内山悠里菜(元々6月から活動休止中)・飯塚麻結の両名(敬称略)が出演出来なかったという痛ましい事態となってしまいましたが、それでも何とか当日にはアーティスト単位で出演者が欠ける事無く揃う事が出来たのは奇跡の一言では片付けられないものです。運が良かったのは言うまでもありませんが、出演者・関係者・スタッフが感染対策に尽力してくれた事も間違いありません。

これだけでも今年のアニサマは高く評価されるべきことです。出演者・関係者の皆様、本当にお疲れ様でした、そしてありがとうございました。

来年はDIALOGUE+が八人揃って出演してくれることを心から望みます。ちなみににわかですがこの曲が一番好きです。

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それではアニサマ2022をポジティブに振り返ってみます。前回も言った通り自分は元々日曜のみの参加予定でしたが諸事情(お察し)により全日在宅となってしまいました。

金も払ってない奴がいくら偉そうな事を言っても説得力も無いのは億も承知、在宅は黙っとれ、というのは常識、全くの正論でまったくもってその通りです。そんな記事でも読んでみようと思った方はどうぞご覧ください。

 

 

1:1組の曲数の多さ

今年のアニサマは公式発表でシークレットを含め56組144名が出演、合計143曲が歌われました。ただしこれは演奏等で歌唱しなかったサポートの出演者とメドレー内の1曲1曲を全て1曲とカウントしたものです。歌唱出演者のみでは54組、公式セットリストではテーマソングを除いて135曲が歌唱されました。1組平均では2.5曲となります。

ちなみに2021年は53組で128曲となり平均2.4曲、2019年は60組で137組となり平均2.3曲となります。

そして今年のいい点は、1組が歌う絶対的な曲数の多さです。わかりやすく表にまとめてみました。ソロでの歌唱は1曲、コラボは多人数でも1組0.5曲でカウントしてあります。

 

曲数

出演者数(凡その割合)

4.5曲以上

4組(7%)

4曲

1組(2%)

3.5曲

4組(7%)

3曲

11組(20%)

2.5曲

17組(32%)

2曲

6組(11%)

1.5曲

7組(13%)

1曲以下

4組(7%)

 

この表から1組当たりの絶対的な歌唱曲数の多さがわかります。全アーティストの7割近い37組のアーティストが2.5曲以上の曲を歌っています。つまり全アーティストの7割は最低でも持ち歌2曲に加えコラボで1曲歌っている計算になります。

ちなみにコラボを0.5曲と計算していますがこれは計算の上ですので、実際には7割近いアーティストが3曲歌っている事になります。「昔と違ってアニサマは1曲2曲の退場が当たり前、アーティストを大切にしていない」と批判される事が多くありましたが、この点で言えば大きく改善されていると言えます。

なお1.5曲換算されているアーティストの多くは作品ユニットであり、ユニットの持ち曲を1曲、作品単位での合同曲*1はコラボ換算で0.5曲となっているため、これも含めると殆どのアーティストが2曲を歌っている事となります。

また1曲以下のアーティストもほとんどがシークレット出演のコラボ要員なので、事前に発表されていた出演アーティストはほぼ全員2曲歌唱となっています。

しかしこれにはいくつかカラクリがあります。これは次回見ていきたいと思います。

なお今年の最多歌唱アーティストは2日目にソロで3曲、3日目にTrysailで4曲歌った雨宮天になります。ちなみに天さんは今年唯一の複数日出演者でもあります。そりゃ最多歌唱にもなりますわ。

 

2:ノンタイ率の低さ

先日ツイートしましたが、ここ10年のアニサマはイメージと異なりノンタイ率が1割と切る好成績を収めています。

これまでのアニサマのノンタイ率を見てみると以下のようになります。

 

開催年

ノンタイ曲数/全体曲数(%)

2005

8/37(21.6%)

2006

5/38(13.1%)

2007

6/36(16.6%)

2008

13.5/77(17.5%)

2009

13/89(14.6%)

2010

14/82(17.0%)

2011

9/76(11.8%)

2012

8.5/83(10.2%)

2013

5/125(4.0%)

2014

7/116(6.0%)

2015

9/131(6.8%)

2016

6.5/130(5.0%)

2017

5/129(3.8%)

2018

2/135(1.4%)

2019

12.5/137(9.1%)

2021

5/128(3.9%)

 

表を大雑把に見ると初期のアニサマの方がノンタイ率が高く、近年の方がノンタイ率が低い事がわかります。アニサマのノンタイ率は2012年まで1割以上であり、初回の2005年は2割以上でした。そして2013年を境に現在に至るまでノンタイ率は1割を切っています。2019年は1割に迫る高さでしたが、それを除けば1日2~3曲程度しかノンタイはありません。

次に開催日ごとに割合を見ていきますが、こちらでは2日開催になった2008年以降のみ見ていきます。

 

 

開催年日

ノンタイ曲数/全体曲数(%)

開催年日

ノンタイ曲数/全体曲数(%)

2008day1

7/40(17.5%)

2008day2

6.5/37(17.5%)

2009day1

7.5/46(16.3%)

2009day2

5.5/43(12.7%)

2010day1

6/40(15.0%)

2010day2

8/42(19%)

2011day1

6/38(15.7%)

2011day2

3/38(7.8%)

2012day1

1.5/41(3.6%)

2012day2

7/42(16.6%)

2013day1

1/42(2.3%)

2013day2

0/41(0%)

2013day3

4.5/42(10.7%)

2014day1

3/39(7.6%)

2014day2

1/39(2.5%)

2014day3

3/38(7.8%)

2015day1

0/43(0%)

2015day2

3/43(6.9%)

2015day3

6/45(13.3%)

2016day1

2/44(4.5%)

2016day2

2.5/43(5.8%)

2016day3

2/43(4.6%)

2017day1

2/43(4.6%)

2017day2

2/44(4.5%)

2017day3

1/42(2.3%)

2018day1

0/46(0%)

2018day2

1/45(2.2%)

2018day3

1/44(2.2%)

2019day1

6.5/47(13.8%)

2019day2

1/46(2.1%)

2019day3

5/44(11.3%)

2021day1

3/42(7.1%)

2021day2

2/43(4.6%)

2021day3

0/43(0%)

 

こちらの表からは平均ではノンタイ率が低い年であっても、2015年や2019年のように日にちによってはノンタイ率が1割を超える、比較的高い日がある事がわかります。一方で2013年2日目や2015年1日目、2021年3日目はノンタイ率0%を達成しており、他の日を見ても近年のアニサマのノンタイ率が確かに低くなっている事がわかります。

そして今年はこうなります。

 

2022合計

6/135(4.4%)

2022day1

1/46(2.1%)

2022day2

2/45(4.4%)

2022day3

3/44(6.8%)

 

ここ5回では比較的高い数字ではありますが、それでも5%を切る好成績です。日曜は比較的高めですがそれでも平均的に低くなっています。自分は必ずしもノンタイ全否定派ではありませんし、見に行く方々にもノンタイは無条件でNGという人はそこまで多くないと思われますが、それ以上に皆アニソンフェスにはアニタイを求める人が多くいると思うので、そういった声に応えようとしている点は高く評価されるべきだと思います。

一方無条件で今年のアニサマの選曲については褒められない点もあります。こちらも次回見ていきたいと思います。

 

3:アニソンシンガーの底力

近年のアニサマは新人声優ばかりでアニソンシンガーを軽視している、とよく言われますが実際のセットリストを見ていると印象が変わります。今年のトリについては後に語りますが、ここ2年のアニサマは5/6が声優以外のアーティストが担当しており、今年の場合は声優が多めの3日目以外は終盤をアニソンシンガーが中心として担当しています。トリに向けての盛り上がりを担当する終盤のアーティストは知名度だけでなく実力も求められる重要な立ち位置であり、そこを任せられるのは人気アーティストの証と言えます。

また例によって表にまとめてみました。全体でも後半戦に当たる、トリから数えて5組のアーティストを見てみましょう。

 

 

金曜日

土曜日

日曜日

トリ4つ前

ASCA

藍井エイル

大黒摩季

トリ3つ前

亜咲花

ReoNa

内田雄馬

トリ2つ前

オーイシマサヨシ

ZAQ

内田真礼

トリ前

TRUE

GRANRODEO

WANDS

トリ

鈴木このみ

FLOW

Trysail

 

金曜は終盤5組が全てアニソンシンガーとなっています。出演二回目ながら実力十分なASCA、病み上がりながら3曲の大活躍だった亜咲花、去年とはまた違うコラボ中心のセトリとなったオーイシ、ユーフォやヴァイオレットとはまた違う「治安の悪いお鶴」「三種の神器」を揃えたセトリのTRUE、そして念願のトリとなった鈴木このみ

アリーナクラスの「わかりやすい」大人気アーティストこそいませんが、そんなわかりやすさ以上に実際のステージを盛り上げられる実力のあるアーティスト揃いです。たとえワンマンで何万もの人間を集める会場を経験していなくとも、一度ステージに立てば盛り上げられるアーティストに対してはしっかりと評価される所がアニサマのいい所です。

とはいっても世界一のアニソンフェスであるアニサマには「わかりやすい」大人気アーティストが求められるのもまた正論。そんな声に答えたのが2日目の土曜日でした。2日目総評は次の項で記しますが、終盤5組のトップは2年連続でトリを担当した藍井エイル。アコースティック中心のセトリ編成にしたとはいえ彼女をここに置けるのが2日目の面子の強さです。続くは武道館公演を控えたReoNaが今までのイメージ通りの曲だけでなくまさかのダンス曲まで披露、さらにデビュー10周年、アニサマではもはやベテラン枠に入りつつあるZAQが新曲に加え定番曲のコラボも披露。そしてトリ前には今年の出演者で一番のベテランであるロデオに初のトリにFLOW。声優アーティストはロデオのみであり、それを含めても実力者ばかりな上に4/5が武道館クラスの経験及び予定者という猛者が揃っています。実力で事前評価を覆すのが金曜ならば、高い事前評価をそれ以上に飛び越えていきました。

日曜は元々アニソンシンガーの割合が3/17と少なく(金曜は5/18、土曜は7/15、いずれもシークレットを除く歌唱アーティストのみ)3組とも終盤戦での出番ではありません。ただし5組ともアニソンファンの間では人気や知名度の高いアーティストであり4/5が武道館クラスの会場でのワンマン経験及び予定がある実力派を揃えています。

今年のアニサマは以前のように3日ともわかりやすい大人気アーティストが持てあますほどたくさんいる、というわけではありませんが、まずは知名度や人気がわかりやすい、あるいは実力で観客を納得させるアーティストを終盤に揃えていると言えます。その中でもアニソンシンガーは重要な役割を担っていると言えるでしょう。

 

4:土曜日の高評価

3月の出演者発表の時点で、今年のアニサマ3日間の中土曜の人気はずば抜けていました。トリ経験アーティスト3組から始まり、実力派アニソンシンガー、大人気声優アーティスト、今旬の声優・作品ユニット、期待の初出演者・・・アニサマに求められるありとあらゆるジャンルのアーティストが揃っていたと言っても過言ではありません。

そうして幕を上げた土曜日はその期待以上、近年のアニサマの中でもかなりの高評価と言えます。

OPコラボはなんとFLOW×GRANRODEO×angelaによるJAM Projectの「SKILL」!!

アニサマ黎明期を象徴する楽曲の一つをトリクラスの実力は大人気アニソンアーティストによるカバー&コラボで披露するという販促技でスタート。この3組はソニーバンナムキングレコードというアニサマの主要三大レーベルからの代表であるだけでなく、いずれもJAM Projectが2020年に出したアルバムに楽曲提供しており同年に開催されたJAM主催のアニソンフェス「20th Anniversary Special JAM FES.〈JAPAN ANISONG MEETING FESTIVAL〉」にも同じく楽曲提供したALI PROJECTと共に出演、ラストには全員で「SKILL」を熱唱したという経験のある、JAMとは深い繋がりのある3組なのですなおこちらのフェスはJAMのドキュメンタリー映画の初回限定盤に映像収録されているのでよかったらどうぞ(ステマ

そんな高すぎるOPコラボの壁に挑むのはYoutubeチャンネルでの企画チャレンジ等でアニサマへの熱い思いを伝えてきたMADKID、さらにDIALOGUE+、梶原岳人と初出演や二度目のアーティストが続きます。

3人体制ラストのステージとなったスピラ・スピカの後に登場したのはStylipS。2012年のアニサマに一度だけ出演し、その後メンバー交代や事務所移籍等の末事実上の活動休止状態になっていた声優ユニットがまさかの登場。この時ばかりは抑えられない声が多数漏れていたとか・・・色々と大人の事情で共演が難しかった小倉唯石原夏織が(19年のアニサマで同じステージに立ったとはいえ)本格的に共演する光景は多くのファンが待ち望んでいたいものでした。この大きな話題となった出来事ですら、この日のアニサマでは盛り上がりの一つであった事が恐ろしいです。

その後は雨宮天の「奏」やDIALOGUE+「花ハ踊レヤいろはにほ」といったカバー曲やサポート出演したマーティ・フリードマンの演奏と共に「Be My Friend!!!」を披露した大橋彩香に続き、前半トリとしてangelaが登場。トリの常連であるangelaをここで使えるのが2日目の層の強さを感じさせます。初めからTWO-MIXを名乗り「JUST COMMUNICATION」のカバーや青春曲メドレーを歌い暴れ放題の末王道の盛り上げ曲である「KINGS」で締めるというベテランの強さを感じさせました。

後半はウマ娘からスタート。フェス初披露となる「GIRLS' LEGEND U」やついにフルでちゃんとやれた「うまぴょい伝説」が問答無用でアリーナを湧かせます。さらにStylipSとしても登場した石原夏織伊藤美来が王道女性アイドル声優のステージを披露した後、終盤のボスラッシュが始まります。詳しくは上記と重複してしまいますが、トリ経験者に実力派・人気アーティスト5組によるステージは2017年初日を彷彿とさせる盛り上がりでした。

2日目の盛り上がりはまずアーティストがわかりやすく強いという事もありますが、1組当たりの曲数が多く割を食うアーティストがいなかった点もあります。出演歌唱アーティスト数がシークレットを含めても16組という少なさもあり、2曲のみのアーティストは初出演の2組だけ、その他のアーティストは最低でも2曲+コラボorカバー1曲という好待遇、3曲枠がゴロゴロいるという贅沢なセトリ構成になりました。2016年金曜のように豪華アーティストを集めても曲数バランスが不安定な事もある中、見事な構成であったと言えます。

選曲についても「燦々デイズ」「PHOENIX PRAYER」のような新曲の中でも人気アニタイ、「うまぴょい伝説」「Can Do」「GO!!!」のような定番アニタイ、「SKILL」「奏」「JUST COMMUNICATION」といったコラボ・カバータイがどれも外さず、痒い所に手が届くセトリとなりました。

2日目の成功は元々のアーティスト選び、セトリの登場配置、選曲全てが嚙み合ったこその物であったと思います。

尤もこれは別の皺寄せを生んでしまうのですが、これについても次回触れていきます。

 

5:役目を全うしたトリ

今年のアニサマは2019年以来となる、全日初のトリ経験者が担当する事となりました。

初日のトリは鈴木このみ2012年というアニサマの節目の年に当時15歳でアニサマのステージに立ち、その後10回連続出演の中でトリ前2回、前半トリ2回の大役を果たした、アニサマ新時代と共に育ったアニソンシンガーがついにトリのステージに立ちました。

オーイシマサヨシ仲村宗悟とのウルトラマン繋がりであるOPコラボでの「Now or Never!」、共にアニソングランプリを競い合ったASCAとのコラボである「僕たちの行方」と、この日の主役はまさしく彼女でした。そしてトリでのステージでの「Theater of Life」「命の灯火」の新しめの曲2つから始まり、代表曲の「This game」、そしてこれからのアニソンシンガーの未来に走り出していくような「DAYS of DASH」の4曲を披露。万感のトリでありながらも、これからの飛躍を感じさせるステージとなりました。

大トリ経験者3組を押さえながら2日目のトリとなったのはFLOW。メジャーデビュー19年目、結成から24年目のもはやベテラン格のロックバンドが出演5回目にしてアニサマのトリを飾ります。

1曲目は昨年もカバーされ、アニサマのテーマにもつながる「COLORS」、そして15年後にそれを引き継いだ「DICE」とFLOWが共に歩んだ代表的タイアップ曲であるコードギアスシリーズの楽曲が続きます。そして3曲目は全出演回で歌われてきたFLOWのアンセムNARUTOの「GO!!!」。多くの人がラストに持ってくるであろうと予想していたこの曲がここで来るのに驚いた人も多かったと思います。しかしギターのTAKEが「懐かしさに浸るだけのライブにしたく無い」twitterで語ったように締めに選ばれたのは最新シングルにしてNARUTOの続編であるBORUTOの主題歌「GOLD」でした。デビュー20周年に向かいながら最新曲をあえてラストに選び、アニサマの場で自身最大キャパ会場である幕張メッセでのアニメ縛りフェスを開催発表する等、未来を見据え進んでいくベテランとしての強さを魅せました。

そして3日目、大トリとなったのはTrysail2015年の初出演から7回と8年目、新世代の声優ユニットがついにトリを飾ります。代表曲「High Free Spirits」から始まり最新曲「はなれない距離」、そしてデビュー曲にしてアニサマでの最初の曲でもある「Youthful Dreamer」を初出演時の映像をバックにしながら、あの時と同じトロッコに乗りながら披露するという、この8年の歴史と成長を感じさせるステージを繰り広げます。

そしてTrysailの、そしてアニサマ2022の最後を飾る楽曲は「adrenaline!!!」。2017年以来毎回歌われ続けるTrysailといえばこの曲、これが無ければ夏は終われないと言っても過言ではない曲です。まだまだアニソン歌手としての遥かに長い航海は道半ばですが、前途有望な未来を感じさせる大トリとなりました。

今年の3組は生粋のアニソンシンガー、一般アーティスト出身、声優ユニット三者三様の面々ですが、セトリとしては新曲+定番曲という王道のセトリの組み方です。アニソンフェスのトリとして求められる事については色々なものがありますが、やはり一番は観客を満足させ盛り上げる事でしょう(2016年のLiSAのようにあえて外したうえで称賛されるケースもありますが、あれはかなりの例外です)。

そういった意味では新曲で最新の自分の魅力を魅せた上での定番曲で締めた鈴木このみTrysailのやり方は王道と言えるでしょう。そしてあえて定番曲を締めのひとつ前に持ってきて、さらに最新曲でさらなる盛り上がりを魅せたFLOWのやり方はさらに称賛されるものでしょう。もちろんこれ3組の優の評価の中で最優を選ぶものであり、3組ともトリとしての責務を果たしたことは言うまでもありません。

アニサマのトリとそのセトリは時に賛否両論を生む事もあり、否定的評価が多い場合もあります。しかし前回と今回は6組とも王道のセトリで勝負し、おおむね高評価を得られている事は喜ばしい事であると思います。なんだかんだで高いお金を払って参加しているからには、竜頭蛇尾になる事無く最高の締めを味わったうえで帰りたいものですし。

 

6:総評

アニサマ2022はある意味2021以上の逆境とも言えました。キャパ制限が事実上の廃止となったため本来のアニサマの底力が示される必要となったためです。他のアニソンライブやフェス直面している集客問題は日本最大のアニソンフェスであるアニサマにおいても他人ごとではないどころか、最大の問題であるとも言えます。

公式発表によれば3日間の動員は6万人これは2019年の8万4千人と比較して約3割減となっています。もちろん公式発表であり実際はチケットを買ったはいいけど余らせてしまったり諸事情で行けなかった人もいるのでもう少し少ないかと思われます。

ただし今年開催されたAqoursの東京ドームライブの1日当たりの動員が約3万人、東京ドームのキャパは5万人であったためこちらは約4割減と考えると、アニサマの動員は比較的健闘していると言えます。

出演者においてもわかりやすい人気声優アーティストや作品ユニットこそ少なかったものの、だからこそアニソンシンガーの底力とここ数年のトリ経験者の実力が強く見せつけられた点、そして初出演からずっと出続けている鈴木このみTrysailといった若手の台頭等新たな時代に相応しい出演者の活躍が見られました。

アニサマ2022は逆境の中ではありましたが何とか様々な運営や関係者の工夫やアーティストの努力もあり次につなげる事が出来たと思います。改めて運営・関係者・アーティストの皆様には本当に御礼申し上げます。本当に、ありがとうございました、

一方で様々な問題が浮き彫りにもなりましたが、それについては今回は語りません。また次回のネガティブ感想編に取っておこうと思います。

それではまた次回よろしくお願いします。

 

7:おまけ

そんなアニサマに行けなかった自分の次イベは、9月17(土)、18(日)に開催されるこちらです。

www.highwaystarparty.com

土曜日は今年のアニサマでも活躍したGRANRODEO銀魂鉄血のオルフェンズ、ヒロアカ等々数々のアニメソング主題歌を担当したBLUE ENCOUNTの対バンライブ、日曜日は「SKILL」でお馴染みJAM Projectの「スーパーロボット大戦OG」シリーズ縛りライブです。

この日は全国的にアニソンライブイベが詰まっていて既に予定の入っている方もいるかもしれませんが、もし時間とお財布に余裕のある方がいらしたらどうでしょうか。

なお私はエンカウントする予定はございませんので、ご了承ください。

 

*1:Tokyo 7th シスターズの「Departures -あしたの歌-」、IDOLY PRIDEの「サヨナラから始まる物語」等