本日9月20日は、私の33歳の誕生日になります。一応いくつになってもブログを書ける限りは書き続けていたいので、今後も続けていくつもりです。超絶マイペースなブログで月一更新も怪しいのですが、どうぞよろしくお願いします。
さて先日9月9日、昨年10月に開催された「バンダイナムコエンターテインメントフェスティバル」の映像ソフトが発売されました。2DAYS合計82曲完全収録&MCほぼ収録、ただし特典映像無しで19800円(アソビストア専売)です。ちなみにアニサマの映像ソフトが8800円(舞台裏映像特典付き)、キンスパ2018の映像ソフトが9200円(海外公演映像&舞台裏映像特典付き)なので1日分で9900円(映像特典無し)なバンナムフェスのソフトは比較的割高なのですが、こういうのは値段以上に中身の満足度です。そもそもこの手のフェスが映像化される事自体レアなのです。毎年アニサマが円盤出している事自体おかしい方なのです。
さてこのバンナムフェス、昨年私は両日参戦したのですが詳しくは自分が語るまでもないでしょう。当時の盛り上がりは当時のtwitterやブログとかの過去の検索でわかるでしょうが、2019年最高のライブとして挙げる人も多くいました。2019年のアニサマは終わってみると比較的評判が良かった印象が強いのですが、最大瞬間風速ではこちらに軍配を上げざるを得ません。レーベルフェスで言えばフライングドッグの「犬フェス」やソニーの「SACRA MUSIC FES.2019 –NEW GENERATION-」もかなり好評でした。ただしバンナムフェスはこれらのライブとは大きく異なる点がいくつかあり、それが成功につながったと思います。今回はここについて語りたいと思います。
1:1つで2つのライブ
普通アニソンフェスは複数日開催する場合、出演者が共通か、一部または全部変わるか否かに関わらず全日構成は一緒になります。別に担当者が手抜きをしているわけではありません。これが当たり前なのです。アーティストが代わる代わる数曲歌い退場し次のアーティストに入れ替わり、フェスによってはコラボがあったりして、トリの出演者が一番多く歌って終わります。フェスによっては最後に全出演者が登壇してテーマソングか誰かの曲を歌い終わります。出演者が共通な場合は日替わり枠の曲があって1~2曲ほど日によって別の曲を歌います。ただしリスアニ!Live等出演者が6組前後の場合は1組当たりの曲数が多く、出演者の出番も完全に区切られコラボなども殆ど無いライブもあります。
一方バンナムフェスは初日と2日目で大きく構成が変わっています。初日はリスアニ!Live形式で出演者の出番は大きく区切られ、出番の前には誰が出演するか名前が出た後にライブが始まります。1~2組ごとに舞台セット等を兼ねてMCコーナー&インタビューパートが挟まれます。なので今から誰が来るのかわかり、そして誰が残っているのかがわかります。
2日目はMCでアイドルフェスティバルと謳っていたように、いつどのコンテンツが、どのユニットが入り乱れた、いつどこで誰が出るかわからない構成となっていました。ブロックを区切ってMCを挟むという構成こそ同じでしたが、どのユニットが、どの作品が出るかという映像は出ませんでした。また流石にラブライブのパートとアイカツのパートは分かれていましたが、アイマスのパートはシリーズ内作品のユニットが作品の壁を越えて登場し、また最初のアイマスのパート→ラブライブのパート、アイマスのパート→ゼノグラシアのパートはMCを挟むことなく突入し勢いを損なう事無く「ここで来るのか!」という驚きを与える事が出来ました。
出演作品は両日でほぼ違い*1、その中の出演者も両日出演は一部のみなのでほぼ両日別出演者と言っても過言ではないとはいえ、ここまで別構成のライブになるとは予想していなかったでしょう。
2:コンテンツホルダーとしてのライブ
アニソンフェスは大きく大型合同フェスとレーベルフェスに分かれます。大型合同フェス(正式名称は無いはずなのでこう表記します)は「Animelo Summer Live」や「ANIMAX MUSIX」のように複数のアニソンレーベルからアーティストが出演し、レーベルの壁を越えた共演やコラボが見られます。また基本的にフェスの主催者は独自のレーベルを持たない*2、レーベルごとの出演者数は必ずしも平等ではなく中心となるレーベルやアーティストがいる、等の特徴があります。
一方レーベルフェスはアニソンレーベルを持つレコード会社が主催し、そのレーベルに所属するアーティストのみが出演します。また歌われる曲も基本的にはそのレーベルの担当するアニメの主題歌ですが、例外もあります*3。
さてバンナムフェスは大型合同フェスでありながらレーベルフェスの要素もあります。大型合同フェスの要素としては、アーティストが複数のレーベルから出演している所です。
レーベル別に見ていくと以下の通りになります。
・アイカツ!シリーズ
・Guilty Kiss
〇エイベックス
〇ソニーグループ
・FLOW
〇ビクター/日本コロムビア
と、このように6レーベルからアーティストが出演していますので、1つのレーベルフェスとは言えず大型合同フェスの要素が強く見えます。一方でタイトルの通り子のアニソンフェスはバンダイナムコグループの中の1社であるバンダイナムコエンターテイメントという企業が主催であり、同社が有するコンテンツの出演作品によるライブという点ではレーベルフェスと言えます。また最も多くの出演アーティストが所属するランティスはバンナムグループ内企業であるバンダイナムコアーツのレーベルなので、ランティスがレーベルの主軸と言えます。この点はソニー系列から出版されているリスアニ!誌が主催であり、ソニー系列のアーティストが最も多く出演するリスアニ!Liveと類似しています。
そしてこの両者の特徴を兼ね備えている点は、そのまま両者の長所を生かし短所を打ち消す事に繋がります。大型合同フェスはレーベルの枠を超えた様々アーティストが集まる一方、その出演はレーベルの都合によります。借りる立場である主催者よりもレーベル側の方が優位な立場にあり、出すか出さないかはレーベル次第であるため出しても割が合わないと判断すればフェスに呼ぶことは出来ません。近年のアニサマにおける出演問題の原因はここにあります。
一方レーベルフェスは100%レーベルの都合で動かすことが出来るので自分の所の人気アーティストをバンバン出せます。権利関係のハードルも合同フェスと比べれば遥かに軽いものです。悪く言えばよその合同フェスで出し惜しみをして自分の所だけ出して集客しやすくする、という事も可能なのです。一方でレーベルフェスはレーベルフェスなので(新次郎構文)当然ながらレーベルの壁は越えられません。レーベル内で出した楽曲ならば他レーベル関係のアニメの楽曲も歌えますが、当然ながらレーベルと関係無い出演者は呼べません。NBCフェスのALTIMAのような例外は数えるほどしかありません。
しかしバンナムフェスは「音楽レーベル」ではなく「コンテンツホルダー」としてのライブなので、コンテンツごとの権利を持ったままレーベルの壁を越えたフェスを作り出すことが可能となったのです。当然ながら各レーベルとの交渉はありますが権利を持っているのと無いのではやりやすさが段違いとなるでしょう。身内であるランティスに至っては交渉の必要は無いに等しいでしょう。当然ながらバンナムが権利を持つコンテンツ内という制限はありますが、そもそもその権利を持つコンテンツが膨大なので(今回もコンテンツのくくりではアイマス、ラブライブ、アイカツ、ガンダム、テイルズ、ワンダーモモとたった6コンテンツしか使っていない)幅広いアーティストや楽曲を揃えることが出来ます。
そして会場が東京ドームと言う事もあり、1日当たりの動員人数もアニソンライブとしては最高記録です。Animelo Summer Live(SSAスタジアムモード)が1日当たり約2万8千人、3日合計で8万4千人、KING SUPER LIVE2018(東京ドーム)*6が1日で3万7千人でしたが、バンナムフェスは初日のMCによると動員が4万7千人、2日間で約10万人の動員を記録した事で動員人数では日本最大のアニソンフェスとなります。ちなみに東京ドームで開催された1日当たりのアニソンライブでは2011年の水樹奈々が4万人、2016年のμ'sが5万5千人を動員しています。
3:アーティストのバランスを考えたライブ
さて、どんなに素晴らしいアーティストが出演できてもライブの構成そのものの出来が悪ければ期待だけさせて後からの評価がガタ落ちとなってしまいます。他のライブを例に挙げるのは自分の性分としては気が進まないのと何かを下げて引き合いにする評価は下策中の下策なのであまり良い方法ではないのですが、2つほど例を挙げてみます。もしこのライブが好きだという人がいましたらご了承ください。
例1:Animelo Summer Live 2016 刻-TOKI- DAY1
この日のアニサマの出演者はアニサマの歴代全公演の中でも人気アーティストが揃っていると言っても過言ではありません。昨年大トリでやらかしたとはいえ経験・人気とも高いGRANRODEO、既に人気アニソンシンガーとしての地位を確たるものとしたMay'n、アニメも終わりSSA公演を控え大人気コンテンツとなったアイドルマスター シンデレラガールズ、シークレット出演から6年、初の正式出演となったKOTOKO、まさかの出演で大きな話題となったデーモン閣下、AKINO with bless4やSuaraといった中堅アニソンシンガー、ALTIMAやZAQといった若手ながら十分盛り上げられる実力派シンガー、田所あずさや村川梨衣といった初出演声優アーティスト、玉置成実やTRUSTRICKといった一般系アーティスト等々・・・さらにシークレットには松本梨香がポケモン主題歌メドレーを引っ提げて出演する等隙の無い布陣であり、藍井エイルが急病により出演休止となるアクシデントを差し引いてもこれで失敗する方が難しい出演者の並びでした。
しかし出来上がったセトリは
・トップバッターとして登場したロデオがコラボを含めても3曲で退場
・コラボ楽曲が過去の使いまわし
・デーモン閣下がソロでまさかの1曲のみ
・KOTOKOがソロでまさかの1曲、コラボを含めても2曲*7
・ALTIMAが活動休止を発表、客の感情がわからなくなる
・結果トリのデレマスにヘイトが集中する流れに*8
とアンバランス(何重にもオブラートに包んだ表現)なものとなりました。一方AKINO with bless4やSuara、May'nやZAQといったアーティストのセットリストやパフォーマンスは好評なだけあり、上手く組めば歴代でも評価の高いセットリストになったと思うと残念でなりません。
例2:20th Anniversaryランティス祭り2019 A・R・I・G・A・T・O ANISONG
ランティス祭りは文字通りランティスが開催するレーベルフェスであり、レーベルフェスとしては老舗かつ、ほぼ全てのアーティストの持ち曲が2曲以上、3~4曲歌うアーティストも複数いてコラボ1公演で3~4回ある等充実した内容のアニソンフェスとして高い評判を得ていました。そして2019年に開催されたランティス祭り2019はランティスを代表するアニソンアーティストであるJAM Projectを始め、GRANRODEOやOLDCODEX、スフィア等の声優系ユニット、アイマス、ラブライブ、アイカツ等のアイドルコンテンツ、大橋彩香や田所あずさ等若手女性声優アーティスト、美郷あき、CooRie、yozuca*、Minami*9等ランティス初期からのアーティスト、ZAQ、TRUE、fhána等比較的最近のアーティスト、鈴村健一や寺島拓篤ら男性声優アーティスト、さらに伝説となったSOS団5人の登場等々ベテランから新人迄数多くのランティスに所属するアーティストが集まり、20年の歴史を象徴するライブになる、はずでした。
しかし実際のライブは
・1日当たり公演時間が7~8時間ほどあったが4ブロックの間に休憩時間が3回、休憩時間だけで各日2時間ほど、長い場合は1回の休憩で1時間ほどあった時もあり店舗の途切れ方が激しい
・そのため8時間ほどのライブにも関わらずテーマソングを含めて歌唱曲が初日40曲、2日目43曲、3日目41曲と5時間ほどのライブとほぼ変わらない曲数。またコラボも1日に1、2曲ほどであり、カバーコーナーもあったがそれならば持ち歌をもっと歌うべきという意見も相次ぐ。
・出演者73組中約半分の36組が持ち歌1曲のみで退場、特にアニソンシンガーの割合が多い※ただしこの多くはカバーやコラボで2曲以上歌唱している。特に初日は半数以上のアーティストが1曲退場であった。
・Aqoursは初日のトリと3日目にユニット3組が登場し初日に4曲、3日目はユニット3組が2曲ずつMCあり、合計6曲歌唱し合計10曲となり、贔屓されすぎとヘイトの対象となる。*10
・一方アイカツは3日間に3ユニットに分けて出演したが、初日1曲、2日目2曲、3日目1曲と3日間で4曲のみであり不満の声が特に大きかった。このラブライブとアイカツの差はバンナムフェスまで尾を引く事となる。
・これらの不満も相まってスタンディングエリアの荒れ具合が酷い事になる
こうなった理由としては主催にbayfmとテレビ朝日が入り、CSでの生中継も実施するためそれに合わせた時間調整が必要だったという説もありますが、いずれにしても多くの批判の声が上がり、レーベルフェスの開拓者かつ優等生であったランティス祭りの評判が大きく下がってしまったのは事実です。一方でこちらも曲数が多いアーティストのセットリストは好評なものが多く、特に12年ぶりに5人がステージに集結する事となったSOS団は伝説と言っても過言でありません。しかしこういった良い点を打ち消して余りある不評を生んでしまったのも事実です。
なおその後の海外公演では出演アーティストが4組ほどと少なかった事もあり各アーティストが5曲ほど持ち歌を披露、コラボも4曲ほどあり理想的なセットリストとなりました。最初から日本でやれ。
この2つのライブは「どんなに良い出演者を集めて部分的に素晴らしいセットリストにしても、曲数のバランスが悪く出演者ごとの格差が大きければ不評の方が勝る」という言ってみれば当たり前の事実を改めて明らかにしました。ではバンナムフェスではどうなっていたのでしょうか。
まずは全出演者の曲数を表にしてみました。文字数が長いので出演者名は略称としましたのでご了承ください。なおコラボ楽曲については元の楽曲の持ちアーティストの方に換算します。
DAY1 |
DAY2 |
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sideM |
12曲 |
765AS |
6曲 |
5曲 |
6曲 |
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ミリオンライブ |
5曲 |
ミリオンライブ |
6曲 |
FLOW |
5曲 |
シャイニーカラーズ |
6曲 |
DAI |
2曲 |
Guilty Kiss |
6曲 |
2曲 |
10曲 |
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1曲 |
1曲 |
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4曲 |
1曲 |
||
玉置 |
3曲 |
1曲 |
|
|
|
|
|
アイマス関係 |
22曲 |
アイマス関係 |
26曲 |
合計 |
39曲 |
合計 |
43曲 |
という曲数になっています。ちなみに初日よりも2日目の方が曲数の多いのに30分ほど早く終わっています。(映像ソフトの収録時間も1日目は286分、2日目は266分と1日目の方が長い)これにはからくりがあり、アイカツの曲はソロ曲がショートverとなっているので時間換算では2~3曲分少なくなっています。
さて一見するとアーティストごとの曲数の差が大きく、上に上げた2つの例と同じ反応となるはずですがそうはなりませんでした。その理由はコンテンツとしての出演であったためです。
初日の場合ELTやDAIは他作品でもアニソンを歌っており、特にDAIはアニソンだけでベストアルバムを出すほどです。FLOWに至っては全曲アニソンで構成したライブ「アニメ縛り」を開催した実績があります*11。ですが今回は「テイルズシリーズ」「コードギアス」「ガンダム」とコンテンツでの出演と事前に発表する事で他作品の曲を歌わなくても自然な構成にしてあり、客も贅沢と思う事はあっても不満に思う事は少なく、むしろ1曲だけのために来てくれてありがたい、まさかアニソンフェスであのアーティストを見られるとは貴重な体験だったという反応が多く見られ曲数の多いアイマスへのヘイトを抑えアーティストへの感謝や称賛にエネルギーを向かわせる事に成功しました*12。
2日目は大きなコンテンツとしてアイマス、ラブライブ、アイカツの3つがあります。この3コンテンツはランティス祭り3日目で揃っていたのですが*13、先ほど言った通りランティス祭りの評判がアレだった影響もありアイマスからの出演が大多数を占めるこの日は残り2コンテンツの出番はかなり少なくなるのではないかという予想が多く見られました。事実公式ホームページではアイマス各シリーズごとにカウントされる一方アイカツは一纏めになっており、ラブライブはシリーズからAqours内のユニットの1つであるGuilty Kissのみの出演でした。特にアイカツのファン層はランティス祭りのような目に遭う事を恐れた結果最初のチケット先行に申し込まず、その結果ライブ中コールがスタンド2階から3階の方から一番大きく聞こえたという逸話が残っています。
しかし結果は大きく異なりました。Guilty Kissは短時間のMCを挟むのみでアッパーな楽曲を激しいダンスやパフォーマンスと共に6曲連続で披露しアイマスのプロデューサーの度肝を抜き、「ラブライブからの刺客」「アイマスに殴り込んできた黒船」と称賛されました。ライブを見に来ていたアニメ版アイドルマスターのプロデューサー役の声優、赤羽根健治もライブ後惚れこみ楽曲を購入、さらに同じくラブライブ目当てで来ていたジャニーズのある人と互いに称えあったという逸話が残っています。*14
またアイカツはショートverを含めて2つのブロックでアニメの映像をバックに合計10曲を歌唱し、さらにアイマスで出演し、声優アーティストとしてアイカツにも大きく関わっている田所あずさがナレーションと言う形で生台詞を披露し、後輩の逢来りんにサプライズメッセージを送り*15、さらにライブツアーの初告知もされる等*16、ランティス祭りを補って余りあるものとなりました。またアイマス側から見ても田中秀和*17や唐沢美穂*18等アイカツと共通の製作陣がいる事、両作に共通して出演する声優が多くおり共通のファンも多くいる事、またアイカツで出演した木戸衣吹が終盤ミリオンライブのメンバーとしてサプライズ出演した事などもあり相乗効果として盛り上がる要因となりました。
また自身の曲としては1曲のみだった他アーティストについても初日同様にコンテンツからの出演と言う事に加え、桃井はるこの「バレンタイン」や結城アイラの「FairyTaleじゃいられない」といった出演者が楽曲提供したアイマスの曲をアイマス出演者とコラボするというサプライズコラボで互いのファンの満足度を高めるといった工夫が見られました。
そもそもこのライブの目的自体がそれぞれの作品のファンに楽しんでもらう上に他作品にも興味を持ってもらうという事であり、終演後のtwitterでの盛り上がりでは「懐かしい曲や珍しい曲が聴けた」「他作品に興味を持った」「知らなかった作品に興味を持てた」「これから見てみよう」「前もって作品を見たり曲を聴いたりして知っておけばもっと楽しめたのに」「ELTの曲をアニソンフェスで聴けるとは思わなかった」「玉置成実デビュー時14歳とかマジかよ」「っていうか〇〇がXX年前とかマジかよ」「invokeのサビを歌えて感動した」「あのギロチンにかけられそうになった娘どうなるんだ」「ignitedのサビでハイネが爆死する映像が流れて爆笑した」「アイカツの髪を切る演出見た事無いけどエモく感じた」「木戸ちゃんしれっといた」「どこのギルティもビームを撃つのか」・・・等々作品のファンが目当ての作品だけでなく他作品にも興味を持った感想が多く見られました。また終演後に出演者が作品の枠を超えて所属事務所繋がりや以前からの交友関係繋がりで写真をSNSに投稿する様子も多く見られ、アニサマやアニマックスと同世に作品の枠を超えたフェスとしての舞台裏でも楽しませてくれる満足度を高めました。
何より終演後翌日のitunesランキングでバンナムフェスに出演したアーティストの楽曲が続々ランキングしたという事が、これまで知らなかった他作品のファンに興味を持ってもらうというバンナム側の狙いが大成功した事を証明しています。異なる作品の共演として、バンナムフェスは理想的な形で成功を迎えることが出来たと言って間違いないと思います。
要するに他のアーティストがとても多く歌っていてお自分の推しが必要な絶対数の供給を受けることが出来れば満足できるし、数が少ない場合はちゃんとした理由付けがあれば納得できるのです。
そんなバンナムフェスですが、開催当初から出演者、枠共に最大勢力であったのがアイドルマスターシリーズを占めていた事は否定する余地のない事実です。そのため「実質アイマスフェス」「それよりもM@STER OF IDOL WORLD!!をやってほしい」といった声もいくつが見られました。確かに実際の公演におけるセットリストにおいてもアイマスが多くを占めていた事、司会も4人中3人がアイマスシリーズ出演声優である事*19等からアイマスがこのライブにおける中核、ヘッドライナー的立ち位置である事は疑いようもない事実です。バンナムフェス運営の視点から見ても声優が多く都合が付けやすく、動員面でもシリーズ1つ1つがアリーナクラスの動員が可能であり悪く言えば客寄せパンダですが確実に一定数の動員が見込める存在であるのは間違いありません。アイマス運営から見ても2020年のアイマス15周年を控え様々なイベントを計画する中(その計画の多くは例のアレで狂ってしまいましたが)、東京ドームでのフェスを経験しそのデータを得るというのは貴重な経験でしょう。また誕生まで一悶着も二悶着もあったsideMが他アイマスとライブで共演するためにはこのようなフェスを挟む必要がったと言うのも想像に難くありません。何よりこのライブの構成・演出を担当しているのはアイマスライブでも構成・演出を担当しているJUNGO氏です。
しかし、それでもバンナムフェスはアイマスフェスでは無く、アイマスフェスであっては成功しませんでした。他作品の出番を数多く用意し、曲数に関わらずその作品とアーティストの魅力を可能な限り引き出して数万の客を魅了し、一体になって盛り上がらせました。特に2日目はアイドルフェスティバルということで一つ間違えれば自分たちの独壇場になってしまう所を、それぞれのコンテンツのファンはもちろんの事、当日の客層では最大・圧倒的勢力になっているアイマスのプロデューサーにも刺さり、心の琴線に触れるセットリストや演出に力を注ぎました。もちろんアイマスについても待望されていたオリジナルメンバーを揃え、同系統の曲はシリーズを超えてまとめる事で盛り上がりを高める等の構成上の工夫がされており、期待されていた王道の選曲から久しぶりに披露される待望されていた曲、さらにアイマスの単独ライブでは絶対に見られない楽曲提供者とのコラボまで見る事が出来ました。
それでもアイマスフェスにさせないような配慮はMCからも見られました。初日ではアイマスのパートの時こそいつものノリ全開でしたが、他アーティストの時はしっかりと作品やアーティストの情報や魅力をしっかりと伝えたうえで笑いや盛り上がりを引き出しており、2日目には二人共バリバリアイマスの声優でありながらMCパートでアイマスについて触れたのはコラボ後アーティスト一緒に登場した時のみで、アイマス単独のMCパートはありませんでした。勿論歯痒かったプロデューサーも大勢いたでしょうが、アイマスだけで4グループ出て全てMCパートを取っていたら偉い時間がかかっていたでしょうしどうしてもアイマスフェスとなる印象が強くなってしまいますので妥当な判断だったかと思います。そして最後のブロック前のMCパートでアイマスについて語った時、MCである中村繪里子があの言葉を単独で東京ドームに帰ってくるまで取っておいたと語った事こそ、このフェスを象徴していると思います。ヘッドライナー、象徴としての立ち位置ではありながらもそれ以上のものにはならず、全てのコンテンツを盛り上げる役に徹する・・・それを考えていたからこそ、バンナムフェスは成功したかと思います。
・・・さてそんなバンナムフェスですが、初回の最後に第二回の開催が発表されていました。会場は引き続いて東京ドーム、2020年の開催を予定していましたが、後に例のアレのせいで「今冬」と変更、先日2021年2月6日・7日に開催すると発表されました。
現在政府から出されているイベント開催制限は先日、9月19日から緩和され「大声での歓声・声援等が確定されるもの」については50%以内の収容率を守る事、収容人数上限については1万人以上となる場合50%まで可能となります。東京ドームの場合は約2万6千~8千人ほどの収容となります。アニサマとほぼ同じと考えると広いですが、正直前回の動員が1日4万7千人である事、さらに前回の評判からチケットの倍率が跳ねあがる事を予想すると戦争です。流石にLVや有料配信はやると思いますが・・・
そして出演作品です。これ自体は前回とそこまで変わっていません。
・電音部
・オールアイカツ!
・「機動戦士ガンダム」シリーズ
まだどの日にどの作品から誰が出演するのかは明らかにされていませんし、前回と同様コンセプトが分かれているかもわかりません。とりあえず作品毎に見ていきましょう。
アイマスシリーズは作品そのものは前回と変わっていません。前回から継続しての出演者やユニットはいるのか、それとも新しく出演する人はいるのか、下手をすればこの東京ドームが初ステージとなる人がいるかもしれない・・・等々予測が捗ります。
テイルズシリーズはやガンダムシリーズはシリーズ全般からの登場という事で、こちらも幅広く予想が難しいです。しかしどちらも一般的にも知名度が高い人気アーティストが多数主題歌を担当しており、ELTのようにまさかこの人の曲をライブで聴く日が来るとは・・・という事があるかもしれません。どちらも数多くのシリーズがある作品ですので、次回はさらに幅広い作品からアーティストが来てくれるのを楽しみにしましょう。
アイカツについては何せ歴史もシリーズもけっこう長い作品であり前回出演時の曲もその代表曲の一部ですから、その時は聴けなかった名曲が聴けることでしょう。既に決定している新シリーズ「アイカツプラネット!」も始まりますし、色々と楽しみな所があります。
さて前回より大きく変化しているのがラブライブ関係です。前回はGuilty Kissだけだったサンシャインからの出演ですが、今回はまだ詳細発表前という事で誰が来るかまだ分かりません。Aqours本体から来るのか、前回は来なかったAZALEAやCYaRon!といったユニットも来るのか、Saint Snowまで出るのか・・・前回は1yニットだけで大きな印象を残しただけあり次はどれだけの衝撃を与えらえるか注目です。
また同じくラブライブから出演するのが虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会です。既にプロジェクト開始から3年が経過しアニメ化も目前に迫っているこちらは今までのラブライブと異なりソロ中心の作品である一方全体曲やユニットもある変わった構成となっており、ランティス祭りやアニサマ等大舞台を経験していますが流石にドームは初めてとなり、どんなステージを魅せてくれるのか楽しみです。
完全に新規のコンテンツとして登場するのが電音部。バンナムが今年6月に発表したばかりの新しいDJや電子音楽を組み合わせた音楽コンテンツプロジェクトです。生まれてから1年も経たずに東京ドームのステージに立つ事となるこのコンテンツが、一体何を見せてくれるのか注目です。
・・・さて、発表された作品はこれまでですし、andmore等の表記も出ていないのでこれ以上作品が参加する可能性は少ないのですが、このフェスはバンダイナムコが権利を持つ作品はすべて参戦が可能なのです。これについては今後の展開に合わせて別記事にしようかと思います。
まだまだ書きたい事はあるのですが、これは続報が出てからにしてみたいと思います。その方がまとまったことが書けると思いますので。
それではみなさん、次の記事でお会いしたいと思います。次こそアニサマナイトの感想文を書きたいと思いますが多分10月になると思います。それではまた来月にお会いしましょう。お体にはお気をつけて。
*1:完全に共通なのはアイドルマスターシンデレラガールズのみ、ミリオンライブも実質共通
*2:アニサマの主催であるドワンゴは一応独自のレーベルである「U&R records」を持っているが現在ではアニメソングレーベルとしての性格は薄い
*3:犬フェス(フライングドッグ)におけるMay'n「Chase the world」(ワーナーアニメの主題歌)、MUSIC THEATER2017(ソニー)における高垣彩陽「Rebirth-day」(キングレコードアニメの主題歌)等があります。
*5:「ワンダーモモ」が収録されているアルバムはビクターから、桃井はるこがカバーした「ワンダーモモーイ」は日本コロムビアからリリースされているのでこの表記とする。
*6:祝日の月曜と言う事で、土日開催となった場合これ以上記録した可能性が高い
*7:なお前回登場時でKOTOKOと同じくシークレットで登場、3曲歌唱したT.M.Revolutionはトリで4曲歌唱だった。
*8:ただし歌唱曲はコンテンツの性質上当然ながら全てアニメ・ゲーム関係曲であるのでトリでノンタイアップを歌うアーテイストよりはアニソンフェスのトリとしては適格であると言えます。
*10:ただしランティスで最も売れており紅白歌合戦に出演する等大きな実績を上げているAqoursがトリを務めるのは妥当であるとも言え、またトリで4曲歌うのは他のアニソンフェスと比較してもごく自然である。事実2日目のGRANRODEOも4曲、3日目のJAM Projectは3曲であるが時間換算すると3.5曲相当歌い、またスフィアとのコラボもあり4曲相当と言ってもいい。
*11:ちなみにバンナムフェスでも告知していましたが中途半端に編集されています。
*12:でも「ZIPS」は聴きたかった、ガンダムフェスで聴けたのでいいんだけど。
*13:それぞれミリオンライブ、Aqours内の3ユニット、アイカツ!(初代)が出演していた。
*14:twitter外で互いのニコ生やらラジオで話題に出しています。
*15:二人共ホリプロインターナショナル所属であり、事務所としてもアイカツの声優としても先輩後輩の関係である
*16:今年の例のアレのおかげ過半の公演が中止となってしまったが・・・
*17:この日のアイマスでは「自分REST@RT」を、アイカツでは「アイドル活動!オンパレード!ver」を作曲
*18:この日のアイマスでは「花ざかりWeekend✿」を、アイカツでは「MUSIC of DREAM!!!」を作詞
*19:正確には初日の司会の一人である小野坂昌也もアニメ版アイマスにゲスト出演しており、アイマスシリーズのプレイ経験もある関係者である