一見野郎のこれは個人の感想です

こちらは私、一見野郎が周りに気を適当に使いつつアニメ・アニソン・読書等の雑談をするブログです。

LiSAは水樹奈々を超えたのか(前編)

このブログをご覧の皆様、新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

今年も新年早々不穏な話題を多く見かけますが、お体にはお気を付けください。

さて今年初めてのブログ更新は、前回の記事の続きになります。どうぞご覧ください。

 

 

1:単純比較をしてみた。

まずは両者の基本的なデータをまとめてみます。

 

 

水樹奈々

LiSA

所属レーベル

キングレコード(第三クリエイティブ本部→キング・アミューズメント・クリエイティブ本部)

ソニーアニプレックスSACRA MUSIC

アニソンアーティストとしての分類

声優アーティスト

アニソンシンガー

それ以前からの経歴

声優(1997年~)

Girls Dead Monster」ボーカル(2010年)

代表的なタイアップ作

・「魔法少女リリカルなのは」シリーズ

・「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズ

・「WHITE ALBUM

・「ロザリオとバンパイア」等々

・「Fate」シリーズ

・「ソードアート・オンライン」シリーズ

・「魔法科高校の劣等生」(1期)

・「鬼滅の刃」シリーズ

等々

現在までのアーティストとしての芸歴

約20年1ヶ月

約9年8ヶ月

デビュー(最初のCDリリース日)

想い(2000年12月6日)【シングル】

Letters to U(2011年4月20日)【ミニアルバム】  

初の武道館単独公演

2005年1月2日:4年1ヶ月

2014年1月3日:2年9ヶ月

初の横浜アリーナ単独公演

2007年2月12日:6年2ヶ月

2016年11月16日・17日:5年7ヶ月

初のSSA(アリーナモード)単独公演

2008年1月3日:7年1ヶ月

2017年6月24日・25日:6年2ヶ月

初の西武ドーム(予定含む)

2009年7月5日:8年7ヶ月

2020年9月5日・6日(延期):9年5ヶ月

初の紅白歌合戦出演

2009年12月31日:9年

2019年12月31日:8年7ヶ月

初のオリコンデイリー1位(シングル)

深愛(2009年1月21日付):8年1ヶ月

crossing field(2012年8月11日付):1年4ヶ月

初のオリコンウィークリー1位(シングル)

PHANTOM MINDES(2010年1月25日付):9年2ヶ月

炎(2020年10月26日付):9年6ヶ月

初のオリコンデイリー1位(アルバム)

ULTIMATE DIAMOND(2009年6月2日付):8年6ヶ月

LANDSPACE(2013年10月30日付):2年6ヶ月

初のオリコンウィークリー1位(アルバム)

ULTIMATE DIAMOND(2009年6月15日付):8年6ヶ月

LiSA BEST -Way-(2018年5月21日付):7年1ヶ月

今までのシングルCD累計売上

約203.1万枚(リリーズ数40枚*1

約103.5万枚(17枚*2

今までのアルバムCD累計売上

約112.2万枚(13枚+ベスト3枚)

約51万枚(5枚+ミニ2枚+ベスト2枚)

 

まず水樹とLiSAの間には倍以上芸歴の差があり、シングルとアルバムの累計売上もほぼ倍近くあります。またデビューから紅白歌合戦初出演へかかった時期もほぼ同じです。しかし武道館や横アリ、SSA公演に至るまではLiSAが早い一方、ドーム公演に至るまでは水樹が早いです。まだオリコンデイリー1位を取ったのはLiSAがかなり早い一方ウィークリー1位に至るまではあまり差がありません。

次に、2組のアーティストの経歴を見ていきましょう。

 

2:水樹奈々の経歴と特徴

まずはディフェンディングチャンピオンたる水樹奈々から見ていきましょう。

水樹は子供のころから演歌歌手を目指して様々な大会に出場しており、高校生の時に状況し東京の芸能プロダクションに所属しながら多くの芸能人が所属する堀越高校を卒業、その中で声優を目指すようになり1997年に声優デビューしその3年後にアーティストデビューしました。今でこそ日本を代表するアニソンアーティストとなった水樹ですが初期の売り上げは今の活躍からは考えられないものでした。デビューシングル「想い」は累計売上枚数わずか492枚、しかもオリコンチャートへの初ランクインは11年後の東京ドームライブの物販によるものでした。初めてランクインしたのはそれぞれ1stアルバム「supersonic girl」が60位、4thシングル「LOVE & HISTORY」が49位でした。このころのタイアップはゲーム中心であり、TVアニメのタイアップは2003年までの4年間で2曲だけでした。それでも2002年に出した6thシングル「suddenly ~巡り合えて~」は初の売り上げ5桁を記録、オリコン最高20位にランクインしました。そして売り上げ・オリコン順位共にここから下がることは無くじわじわと人気を上げていき、ライブでも2003年の年末に初のアリーナクラスである幕張メッセイベントホール単独公演を開催しました。この頃は声優としても「シスター・プリンセス」「NARUTO -ナルト-」「ニニンがシノブ伝」「鋼の錬金術師」といったヒット作に次々と出演し、2002年の「七人のナナ」では初主演作品かつED曲「Birdie,birdie」を担当する等知名度を高めていきます。

そして2004年秋には現在まで続く代表作である魔法少女リリカルなのは」への出演と主題歌を担当、「innocent starter」は初となるオリコンウィークリートップ10入り(9位)を記録、売り上げも2万枚を超えました。2005年の正月には初の日本武道館公演を開催、同年にはバジリスク 〜甲賀忍法帖〜そして「魔法少女リリカルなのはA's」の2作品へ主要キャラの出演と主題歌の担当を成し遂げ、特に「A's」は前作を上回る大ヒット作となって2010年代のキングレコードを代表するシリーズ作品へと成長すると共に主題歌ETERNAL BLAZEはウィークリーチャート2位を獲得、林原めぐみの保持していた声優アーティストとしての最高位である3位を更新しました。売り上げ面でも「innocent starter」の倍近い記録を打ち立て、自身初となる音楽番組「HEY!HEY!HEY!」への出演を果たし、声優アーティストだけでなくアニソンアーティストとしてのトップ、そしてアニメソング自体の新記録と未知の記録樹立への道を歩む事となります。

2006年にはPV集であるDVD「NANA CLIPS 3」がオリコン週刊音楽DVDチャートにおいて声優史上初となる1位を獲得。2007年には「SECRET AMBITION」の売り上げが7万枚を突破、ここからシングル19作連続で5万枚以上の売り上げが続く事となります。またアルバムGREAT ACTIVITYで当時の声優アーティストのCDアルバムにおける最高位を更新し2位を獲得、声優初である横浜アリーナ単独公演を開催しました。

2008年にはCDシングル「Trickstar」*3の売り上げが8万枚を突破、オリコン年間ランキングでちょうど100位にランクインし自身初となるトップ100入りを達成、また声優の本格的ライブとしては初であるさいたまスーパーアリーナ単独公演を開催。

そして2009年に入ると水樹は声優・アニメソング業界として初となる、未知の記録を次々に打ち立てていきます。まずは5月に発売したアルバム「ULTIMATE DIAMOND」の売り上げが自身初となる10万枚を突破、そして週刊CDアルバムチャートで1位を獲得しました。週刊アルバムチャート1位は自身初であるのみなく声優としても初であり、そして週刊音楽チャート1位の獲得自体が声優初の快挙となりました。以後アルバムは5作連続で売り上げ10万枚を突破しています。

7月には声優・アニメソング業界初となる西武ドームでの単独公演を開催。以後現在に至るまで合計7公演を開催しており、これはアニソンアーティストとしては最多となります。*4ここから現在に至るまでライブツアーでは毎公演ごとにドーム・スタジアムクラスの会場が定番化し、現在のアニソンアーティストの大規模ライブの先駆者的存在となりました。そしてこの年の暮れに第60回紅白歌合戦に声優・アニソンアーティスト初となる出演を成し遂げ自身が出演するアニメWHITE ALBUMの主題歌深愛を歌唱、その後6年連続出場を成し遂げます。アニソンアーティストが紅白歌合戦という日本で最も有名・権威のある音楽番組に出演する事自体が快挙であり、その地位を不動なものとしました。

2010年にはPHANTOM MINDSが自己最高売り上げとなる9万枚を記録すると共に自身初となる週刊CDシングルチャートで1位を獲得、これでシングル、アルバム、DVDの首位3冠を成し遂げます。またこの年から地方でもアリーナ公演を開催する等ライブの規模はさらに大きくなります。

2011年には自身初、そしてアニソンアーティスト初であり女性ソロアーティストとしても8人目となる東京ドーム単独公演を開催2016年にも二度目の公演を開催し女性ソロアーティストの東京ドームの公演数では当時同率1位、現在でも2位を記録しています。その他も2012年の千葉マリンスタジアム、2014年の横浜スタジアム、そして2016年には邦楽全体でもソロアーティストとしては初となる阪神甲子園球場での単独公演を開催する等そのライブ規模は長期間アニソン界最大クラスを保っています。またこの年から数年置きにオーケストラ・アコースティックコンサートを開催、2017年には声優初、音楽界でも2例目となる出雲大社での奉納公演、2018年には日本武道館で一度のライブではアニメ業界最多である合計7日間公演を開催する等*5、新しい挑戦を続けています。

2012年にはCDシングルBRIGHT STREAMが自己最高であるシングル売り上げ10万枚を突破、アルバムROCKBOUND NEIGHBORSも現在まで続く自身最高の売り上げである13万枚を記録し、同年に放送され2010年代を通してシリーズが続いた戦姫絶唱シンフォギアや2014~15年に放送されたクロスアンジュ 天使と竜の輪舞のように声優アーティストである水樹の存在があってこそのオリジナルアニメも制作されるようになりました。また2013年には革命機ヴァルヴレイヴ」のOPをT.M.Revolutionとのコラボレーションとして担当、アニメファンの間でも人気の高いTMRとのコラボは夢の共演として話題となりコラボ曲Preserved Roses」「革命デュアリズムはいずれも大ヒット曲となりました。

これらの活動実績はアニメ業界外からも高く評価され2010年には出身地である愛媛県新居浜市の初代新居浜ふるさと観光大使に、2012年には愛媛県「伊予観光大使に任命され、2013年には平成25年度芸術選奨文部科学大臣新人賞大衆芸能部門を受賞、2017年には愛媛県で開催された第72回国民体育大会のイメージソング「えがおは君のためにある」の歌唱を担当、開会式に出演し当時の天皇・皇后両陛下拝謁の元歌唱するといった地方自治体・国家レベルのイベントや役職を担当する事となり、2019年には天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」にも出演しました。また2017年と20年にはミュージカル「Beatiful」にダブルキャストで主演する等様々な分野に活動を広げています。

2020年現在水樹奈々のライブは合計200公演*6を数えています。

その中でも大規模ライブ会場での公演を見てみます。

 

〇関東地域での会場

パシフィコ横浜:3回

幕張メッセイベントホール:1回

日本武道館:12回

代々木第一体育館:4回

横浜アリーナ:5回

さいたまスーパーアリーナ(アリーナモード):3回

さいたまスーパーアリーナ(スタジアムモード):7回

西武ドーム:7回

・東京ドーム:4回

千葉マリンスタジアム:2回

横浜スタジアム:1回

グリーンドーム前橋:1回

 

〇関東以外の国内の会場

セキスイハイムスーパーアリーナ:2回

ゼビオアリーナ仙台:2回

・富士急コニファーフォレスト:1回

・静岡エコパアリーナ:3回

日本ガイシホール:13回

・長野ビッグハット:1回

三重県営サンアリーナ:2回

大阪市中央体育館:2回

大阪城ホール:12回

阪神甲子園球場:1回

神戸ワールド記念ホール:2回

愛媛県武道館:1回

・さぬき市野外音楽広場テアトロン:1回

北九州メディアドーム:2回*7

熊本県野外劇場アスペクタ:1回

別府ビーコンプラザ コンベンションホール:2回

 

5000人以上の規模だけでもこれだけあり、200公演の約半分を占めています。

特に地方でのライブでは一部を除けば水樹奈々しか公演をしていない会場ばかりであり、地方でも大規模なライブが可能な水樹の実力と知名度を示しています。現在でも関東以外の地域でのアリーナライブが可能なアニソンアーティストは数えるほどしかおらず、動員人数では兎も角会場数と地域の広さでは並ぶ者はいません。

またオリコンランキングの記録としては以下の通りになります。

 

オリコンウィークリー最高1位

CDシングルPHANTOM MINDS

CDアルバムULTIMATE DIAMOND」「SUPERNAL LIBERTY

DVD・BD両方「NANA CLIPS 5」「NANA CLIPS 6」

DVD「NANA MIZUKI LIVE FORMULA at SAITAMA SUPER ARENA」

BD「NANA CLIPS 8」「NANA MIZUKI LIVE DIAMOND×FEVER」

NANA MIZUKI LIVE GRACE -OPUS II-×UNION」

NANA MIZUKI LIVE ZIPANGU×出雲大社御奉納公演〜月花之宴〜」等10作品

 

オリコンウィークリー最高2位

CDシングル「ETERNAL BLAZE」 「SECRET AMBITIONTrickster」「深愛」「SCARLET KNIGHTSynchrogazerBRIGHT STREAM「エデン」「TESTAMENT」「FIRE SCREAM/No Rain, No Rainbow」

CDアルバム「GREAT ACTIVITYIMPACT EXCITER」「ROCKBOUND NEIGHBORS」「SMASHING ANTHEMS」「NEOGENE CREATION」「THE MUSEUM III

DVD「NANA MIZUKI LIVE MUSEUM×UNIVERSE

BD「NANA MIZUKI LIVE FIGHTER -BLUE×RED SIDE-」「NANA MIZUKI LIVE GAMES×ACADEMY -RED-」「NANA MIZUKI LIVE CASTLE×JOURNEY -KING-」

 

オリコンウィークリー最高3位

CDシングル「夢幻」「Silent BiblePOP MASTER」「純潔パラドックス」「TIME SPACE EPVitalization「Exterminate」「STARTING NOW!」「Destiny's Prelude」「WONDER QUEST EP」

CDアルバム「HYBRID UNIVERSE」「CANNONBALL RUNNING」THE MUSEUM II

DVD・BD両方「NANA CLIPS 7」

DVD「NANA CLIPS 3」「NANA CLIPS 4」「NANA MIZUKI LIVEDOM-BIRTH- AT BUDOKAN」

BD「NANA MIZUKI LIVE THEATER -ACOUSTIC-」「NANA MIZUKI LIVE GALAXY -FRONTIER-」「NANA MIZUKI LIVE PARK×MTV Unplugged: Nana Mizuki

 

オリコンウィークリー最高4~10位

CDシングル9枚

DVD4枚

BD4枚

 

この通り、2004年秋以降に発売されたほぼ全てのCD・DVD・BDがオリコンチャートトップ10にランクインしています。また太字のCDシングル・アルバムはその年の年間ランキングトップ100にランクインしています。

他にもアニソンアーティスト初&6年連続の紅白歌合戦出演を始めとして、NHKMUSIC JAPAN」「NHKのど自慢」「うたコン」、フジテレビの「MUSIC FAIR」「FNS歌謡祭」、TBSの音楽の日等の音楽番組に通常・特番の区別なく多数出演経験があります。特に「MUSIC FAIR」は2010年とアニソンアーティストとしてはかなり初期から出演しており、「NHKのど自慢」は2012年以来年1回のペースで出演、元々演歌歌手志望だった経歴もあり紅白と並んで幅広い世代へ知名度を上げる事に大きな役割を果たしています。

現在アニソンアーティストの活躍は目覚ましく今やドーム公演や全国のアリーナツアーは珍しくないものとなりましたが、これらの活動を切り開いていった人物こそ水樹奈々です。そして水樹奈々の特徴として忘れてはいけない事は「声優アーティスト」である事です。その声優アーティストは名の通り「声優」と「アニソンシンガー」両方の属性を併せ持ち二つの分野で活躍する人が多くいますが、水樹は声優とアニソンシンガー両方において高い人気を誇り、その相乗効果も相まって自身が主題歌を担当した作品の多くがヒットしています。水樹が主題歌を担当し、声優としても主演クラスの役で出演したアニメ作品には以下のものがあります。なおゲーム主題歌関係は多いので除きます。

 

七人のナナ:初主演作であり、初めて自分の主演作で主題歌を担当した作品にもなった。
魔法少女リリカルなのは」シリーズ:声優アーティストとしての出世作でありシリーズほぼ全ての主題歌を担当、現在までTVアニメ4作、劇場版4作、ゲーム2作の主題歌・挿入歌合計18曲、自身最多のタイアップ作品シリーズ。
バジリスク」シリーズ:TVアニメ版「甲賀忍法帖」と続編「桜花忍法帖*8のED合計4曲を担当。「甲賀」ではヒロインを演じ、「桜花」ではその娘がヒロインである。
WHITE ALBUM:前期後期2曲のOPを担当。特に前期OP「深愛」は初の紅白出演歌唱曲、ファン投票で1位になるなど代表曲の一つ。*9
DOG DAYS」シリーズ:「リリカルなのは」シリーズスタッフによって製作されたオリジナルアニメ。複数役を演じているが主人公クラスとしては2期からの出演。3シリーズ全てのOPを担当。
BLOOD-C:「BLOOD」シリーズの1つであり、TVアニメ版と続編の劇場版の主題歌2曲を担当。なお当時の水樹の作品としては珍しいキングレコード系列ではないアニメ作品。
戦姫絶唱シンフォギア」シリーズ:声優アーティストの水樹の存在を前提とした、2010年代の水樹の代表作。TVシリーズ5作全ての主題歌及び挿入歌、ゲーム版主題歌合計7曲を担当しただけでなく、多数のキャラクターソングも担当。
クロスアンジュ 天使と竜の輪舞:当時のキングレコード所属声優アーティストのほぼ全てが出演したオールスター作品であり、従来のイメージを破るキャラも話題に。主題歌・挿入歌3曲を担当。

こういった「声優アーティスト」としての水樹の活躍に影響され、大橋彩香水瀬いのり鈴木愛奈といった水樹を憧れや目標として公言し、現在活躍する若手声優も大勢います。水樹の活躍無くして、現在のアニソンシーンの拡大は無かったでしょう。

 

3:LiSAの経歴と特徴

次に挑戦者であるLiSAについて見ていきます。子供の頃から歌う事が好きでピアノやミュージカルを習い、中学生の頃からバンドを始めた彼女はメジャーデビューを目指して一人上京、数多くのボーカルオーディションを受けては落ちている中ついに1つのオーディションに合格しました。それがTVアニメAngel Beats!の作中バンドGirls Dead Monster(ガルデモ)」の2代目ボーカルオーディションでした。それまでアニメの世界にはあまり知識や興味の無かったLiSAでしたが「Angel Beats!」の大ヒットと共にガルデモの楽曲は全て数万枚のヒット曲となりライブツアーや「Animelo Summer Live」等のアニソンフェスにしていく中でアニメへの興味や熱に応えていくようになりアニソンアーティストへの道を歩んでいくようになります。ガルデモの活動はアニメの終わった2010年12月末に終了しましたが同時にソロ活動を開始、アーティストLiSAが本格的に指導していく事となります。

2011年にソロアーティストとしての活動を開始したLiSAでしたが、当初はソロライブやミニアルバムのリリースといったアニメソングとは直接関わらない活動でした。そんな彼女のソロアーティストとして初めてのシングルでありアニメソングとなったのがTVアニメFate/Zeroの前期OPoath signです。この曲はLiSAの初のアニメタイアップにしていきなり7.8万枚のセールスとオリコン週刊シングルCDチャート5位を記録しました。この「Fate/Zero」の制作会社であるufotableとの縁はこの後「鬼滅の刃」の主題歌担当として大きく花開く事となります。

翌年2012年、日比谷野外音楽堂でのワンマンライブを成功させたのちにライトノベル原作アニメソードアート・オンライン(SAO)」の前期OPである2ndシングルcrossing fieldをリリースします。この楽曲は「oath sign」を上回る8.8万枚の売り上げとオリコンデイリー最高1位を記録。SAOの大ヒットと共にデビュー2年目にしてLiSAの人気を急激に高める事となります。この楽曲はLiSAにとって多くの出会いを齎しました。アニメが大ヒットしたSAOはその後もアニメシリーズや劇場版など度々アニメ化されますがその度にLiSAは主題歌を担当しヒットさせていくこととなり、アニソンシンガーLiSAを代表するタイアップ作品となります。また「oath sign」「crossing field」の2曲の作詞・作曲を担当した渡辺翔はその後もLiSAに多くの楽曲を提供する事となります。またこの前後からソロアーティストとしてAnimelo Summer Live」「ANIMAX MUSIX」「リスアニ!Live」等のアニソンフェスにも多く出演し、ガルデモ以外での自分自身の知名度を上げていきます。

2013年には3rdシングル「best day,best way」をリリース。アニメタイアップ曲ではないためセールス的には前2曲には大きく劣るもののライブでの定番曲となるほど人気が出た他、作詞作曲を担当したUNISON SQUARE GARDEN田淵智也とはこの後数多くのヒット曲を生むコンビとなります。この年は全国ライブツアーを行ったほか2ndアルバム「LANDSPACE」がデイリー1位、ウィークリー2位の好記録をたたき出し、翌年の武道館公演も決定させました。

こうして決まった2014年正月の武道館公演ですが自身の喉の不調のため良いパフォーマンスが出来ず悔いの残る結果となりました。この悔しさをバネに作られた曲がTVアニメ魔法科高校の劣等生前期OPRising Hopeです。作詞を田淵智也との共同制作、作曲を田淵が担当したこの曲は5万枚のヒット曲となっただけでなくライブでの定番曲、そしてアニソンアーティストLiSAの代表曲となりました。またSAO2期のEDである「この年のLiSAは自身最大規模となる富士急コニファーフォレスト単独公演を成功させ「TREASURE05X」COUNTDOWN JAPAN」「氣志團万博*10といったロックフェスへの出演を始め、アニメソングファン以外にもその名を広げていきます。

2015年には早々に武道館2daysライブを開催、大成功をおさめリベンジに成功した事から始まり3rdアルバム「Launcher」が4万枚と過去最高のアルバムセールスを記録、このアルバムと共に全国のライブハウスを回る過去最大規模のツアーを開催、さらに初となるアジア5か国・地域を回る海外ツアー、そして幕張メッセ国際展示場で自身最大規模のライブを開催しました。また5月には藍井エイルと共にミュージックステーションへ出演、初の地上波音楽番組の登場となりこれまでなじみの無かった層にも名前を広めていく事となります。2016年には自身初となる海外公演を含む全国ツアーと横浜アリーナ2days公演、SUMMER SONICの初出演や昨年から続くROCK IN JAPAN FESTIVAL出演等ライブ面で多く活躍します。

2017年には自身初となる映画主題歌である劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-主題歌Catch the Momentオリコンデイリー最高1位、6万枚のセールスを記録、上半期の女性ソロアーティストとしては代行の売り上げを記録し、自身初となる年間ランキングトップ100ランキング入りを果たしました。そしてこの曲を収録したLiTTLE DEViL PARADEを引っ提げてアニソンシンガー初となるさいたまスーパーアリーナ単独公演を含むアリーナツアーと全国ホールツアーを開催、またミュージックステーションにもソロとして数回出演する等活動をさらに拡大していきます。

2018年には初となるベストアルバム2枚. 「LiSA BEST -Day-」「-Way-」をリリース、売り上げ面では2枚とも今までのアルバムを大きく上回る8万枚を記録(翌年分の累計を含めると9万枚以上を記録。)「-Way-」は自身初となるオリコンウィークリー1位を達成、「-Day-」も2位を記録し女性アーティスト史上4組目、当然アニソンアーティストとなる1・2位同時獲得となりました。この年も武道館や大阪城ホールと言った大規模会場、アジア・全国のホールツアーを開催、年末にリリースしたSAOシリーズ最新作の主題歌「ADAMAS」は5万枚のヒットとなりました。

そして迎えた2019年はLiSAにとってこれまでを大きく超える飛躍の年となります。平成最後の2日間に横浜アリーナ単独公演で終わらせた後、自身を大きく変える楽曲をリリースしました。もはや説明不要の大ヒット曲となったTVアニメ鬼滅の刃OP「紅蓮華」です。CDより先にリリースされたデジタルシングルでは配信開始時期もあり「平成最後のウィークリー1位」と「令和最初のウィークリー1位」という誰にも破る事の出来ない記録を達成。CDシングルの売り上げ面では当初こそ他のヒット曲とそこまでの差が無いセールスを記録していましたが、放送終了後もじわじわと続く鬼滅ブームもあり1年以上のロングヒットとなります。そしてこの曲のヒットと鬼滅ブームもあり数多くの音楽番組へ出演、そしてこの年の紅白歌合戦に自身初、そして声優アーティスト・ユニット以外のアニソンシンガーでは初となる出演と言う快挙を成し遂げました。他に年末にリリースしたSAOシリーズのEDである「unlasting」もデイリー1位を獲得する等、快進撃が続きます。

そして迎えた2020年。コロナ禍によるライブの延期・中止等はあったものの、LiSAは補って上回る、アニメソングの歴史を変える存在となります。「紅蓮華」は社会現象規模となっていく「鬼滅の刃」ブームと共にセールスを伸ばし、19年の楽曲にも拘らず2020年前期で最も売れ、2020年を通しても2番目に売れたアニソンとなりCDの売り上げは20万枚近くを記録し配信を合算すると自身初となるミリオンセールスを記録、当然ながら自身最大のヒット曲となりアニメに詳しくない人でも歌えるほどの流行歌となりました。

そして10月、「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」と同時期に主題歌「炎」とアルバム「LEO-NiNE」をリリース。日本歴代興行収入1位を達成した同曲に応えるようにオリコンウィクリーチャートでシングル・アルバム同時1位を獲得、「炎」は自身初のシングルウィークリー1位を獲得しました。そしてわずか2週でCDシングル売り上げ10万枚を突破、二か月後には自身初、21世紀でも2例目となる20万枚を記録し「紅蓮華」の売り上げを超える事となります。「LEO-NiNE」もアルバムでは自身初となる10万枚を突破、15万枚を記録しこの年のアニソンアルバムでは最大のヒットとなり、2020年度にリリースしたシングル3枚、アルバム1枚全てがオリコン年間トップ100にランクインし、「炎」は年間22位、「紅蓮華」は年間36位となりました。

そして「炎」はアニソンアーティストのアニメソングとは初となる第62回日本レコード大賞を受賞、アニメソングが日本の音楽の頂点に立つという歴史的快挙を成し遂げました。また年末年始の音楽特番に次々と出演、特に2年連続となる紅白歌合戦ではアニソンアーティストとしては初となる後半での出演、さらに嵐の後という重要な出番を任されるようになり、こういったテレビ番組の出演等により一気に知名度を伸ばし、アニソンファンだけでなく一般的にも大きな人気と知名度を得てもはや国民的歌手と呼べる存在となりました。

2020年現在LiSAのライブは合計149公演*11を数えております。

その中でも大規模ライブ会場での公演を見てみます。

日本武道館:2回

横浜アリーナ:4回

・富士急コニファーフォレスト:1回

幕張メッセ国際展示場:1回

さいたまスーパーアリーナ:2回

日本ガイシホール:1回

神戸ワールド記念ホール:1回

大阪城ホール:2回

さいたまスーパーアリーナ大阪城ホール日本ガイシホールの東名阪の最大級アリーナ会場で単独公演を開催したアニソンシンガーはLiSAだけであり、流石に水樹奈々や大規模アイドルコンテンツには負けますがアニソンアーティストとしては最大級の規模です。

またオリコンランキングの記録としては以下の通りになります。

 

オリコンウィークリー最高1位

CDシングル「炎」

CDアルバムLEO-NiNE」「LiSA BEST -Way-

DVD・BD両方「LiVE is Smile Always 〜ASiA TOUR 2018〜[eN + core] LiVE & DOCUMENT」

BD「LiVE is Smile Always -NEVER ENDiNG GLORY- at YOKOHAMA ARENA [the Moon]」

 

オリコンウィークリー最高2位

CDシングル「赤い罠(who loves it?)/ADAMAS

CDアルバム「LANDSPACE」LiSA BEST -Day-

BD「LiVE is Smile Always -NEVER ENDiNG GLORY- at YOKOHAMA ARENA [the Sun]」

 

オリコンウィークリー最高3位

CDシングル「紅蓮華」

CDアルバム「Launcher」

オリコンウィークリー最高4~10位

CDシングル9枚

CDアルバム3枚

BD2枚

 

チャート上位の数では水樹奈々に劣りますがオリコン上の常連であり、また太字のCDシングル・アルバムはその年の年間ランキングトップ100にランクインしています。

他にも記録としてはアニソンアーティスト初の日本レコード大賞受賞を初め「紅蓮華」の配信における平成最後&令和最初のウィークリー1位、「炎」と「LEO-NiNE」同時リリースによるオリコンチャート各種1位の合計7冠といった記録があり、配信における記録が多くあります。水樹奈々が配信における記録をあまり持っていないのとは対照的であり、ブームの開始時の違いを感じさせます。

また上でも触れた通りアニソン関係以外でもロックフェスへの多数出演でロックファンの間での知名度を広め、その後の音楽番組への出演、特に2019年からの鬼滅ブームによって音楽ファンから一般層までその知名度を一気に広める事に成功しており、今や幅広い世代に知られる存在となりました。

さてそれぞれの略歴をまとめた後、いくつかの点でどちらが「上」か比べてみます。

 

4:CD売り上げでの比較

まずは今までのCDシングルの売り上げを見ていきます。

 

 

水樹奈々*12

LiSA

シングル

約203.1万枚(リリーズ数40枚*13

約103.5万枚(17枚*14

 

CD名(2020年末までの売り上げ枚数)【リリース年】

20万枚代

 

炎(24.9)【20】

10万枚代後半

 

紅蓮華(19.4)【19】

10万枚代前半

BRIGHT STREAM(10.2)【12】

 

9万枚代

PHANTOM MINDS(9.4)【10】

 

8万枚代

SCARLET KNIGHT(8.7)【11】

Trickster(8.2)【08】

Vitalization(8.1)【13】

crossing field(8.8)【12】

7万枚代

Synchrogazer(7.9)【12】

TIME SPACE EP(7.5)【12】

SECRET AMBITION(7.5)【07】

POP MASTER(7.4)【11】

Silent Bible(7.2)【10】

oath sign(7.8)【11】

6万枚代

夢幻(6.4)【09】

深愛(6.2) 【09】

エデン(6.5)【15】

禁断のレジスタンス(6.5) 【14】

MASSIVE WONDERS(6.0) 【07】

Catch the Moment(6.0)【07】

5万枚代

Exterminate(5.6) 【15】

Angel Blossom(5.1) 【15】

赤い罠(who loves it?)/ADAMAS(5.2)【18】

Rising Hope(5.1)【14】

4万枚代

ETERNAL BLAZE(4.8)【05】

TESTAMENT(4.5)【17】

NEVER SURRENDER(4.4)【18】

STARTING NOW!(4.4)【16】

Destiny's Prelude(4.2)【17】

Justice to Believe/アオイイロ(4.1)【04】

シルシ(4.4)【14】

3万枚代

WONDER QUEST EP(3.7)【18】

METANOIA(3.6)【19】

SUPER GENERATION(3.1)【06】

unlasting(3.7)【19】

2万枚代

FIRE SCREAM/No Rain, No Rainbow(2.8)【20】

innocent starter(2.5)【04】

WILD EYES(2.2) 【05】

Rally Go Round(2.9)【15】

traumerei(2.8)【13】

ASH(2.7)【17】

Brave Freak Out(2.4)【16】

Empty MERMAiD(2.2)【15】

だってアタシのヒーロー。(2.1)【17】

1万枚代

still in the groove(1.6)

パノラマ-Panorama-(1.4)【04】

New Sensation(1.3)

suddenly ~巡り合えて~/Brilliant Star(1.3)【02】

best day,best way(1.8)【13】

BRiGHT FLiGHT/L.Miranic(1.3)【14】

1万枚未満

LOVE & HISTORY(0.5) 【02】

POWER GATE(0.3) 【02】

想い(0.04)【00】

 

 

CD売り上げ別にまとめてみました。まずわかるのは水樹奈々の5万枚以上売れたシングルCDの数の多さです。5万枚以上売れた数が17枚。代表曲である「ETARNAL BLAZE」すらトップ15に入る事すら出来ません。今まで出したCD40枚のうち半数近くが5万枚以上売れていると言うのが驚異的です。普通のアニソン歌手ならば一生をかけて1曲でもこれほどのヒット曲を1つでも出せるかどうか、というレベルの曲を2桁持っているのはさすが水樹奈々、トップアーティストの面目欠如です。LiSAほどの人気アーティストですら代表曲1つ1つの売り上げに匹敵する売り上げの曲を複数持っています。一方最高売り上げではLiSAが勝っています。やはり鬼滅の2曲は強く、これほどの売り上げを2曲以上持っているアーティストはアニソン界でも数組しかいません。他にも5万枚以上のヒット曲が5曲あり、これだけでも並大抵のアーティストでは勝負になりません。一方でリリースした曲の約半数の売り上げが3万枚に満たず、曲ごとの格差が大きい事もわかります。

次にCDアルバムの売り上げを見てみます。

 

 

水樹奈々

LiSA

アルバム

約112.9万枚(13枚+ベスト3枚)

約51万枚(5枚+ミニ2枚+ベスト2枚)

10万枚代

ROCKBOUND NEIGHBORS(13.9)【12】

THE MUSEUMⅡ(12.9)【11】

IMPACT EXCITER(12.6)【10】

ULTIMATE DIAMOND(10.4)【09】

SUPERNAL LIBERTY(10.0)【14】

LEO-NiNE(15.6)【20】

9万枚代

 

LiSA BEST -Way-(9.5)【18】

LiSA BEST -Day-(9.2) 【18】

8万枚代

SMASHING ANTHEMS(8.2)【15】

 

7万枚代

 THE MUSEUMⅢ(7.4)【18】

 

6万枚代

THE MUSEUM(6.7)【07】

GREAT ACTIVITY(6.6)【07】

NEOGENE CREATION(6.4)【16】

 

5万枚代

HYBRID UNIVERSE(5.1)【06】

 

4万枚代

CANNONBALL RUNNING(4.9)【19】

LiTTLE DEViL PARADE(4.3)【17】

Launcher(4.0)【15】

3万枚代

ALIVE & KICKING(3.2)【04】

 

2万枚代

MAGIC ATTRACTION(2.2)【02】

LUCKY Hi FiVE!(2.7)【16】

LANDSPACE(2.5)【13】

LOVER"S"MiLE(2.1)【12】

1万枚代

DREAM SKiPPER(1.9)【03】

Letters to U(1.1)【11】

1万枚未満

supersonic girl(0.5)【01】

 

 

はい、こちらでも層の厚さは水樹が上回っています。10万枚超えのアルバムだけで5枚ありますが内4枚はオリジナルアルバムです。LiSAの方が10万枚を超えたものが1枚だけ、5万枚以上を含めれば10対3と圧倒的な差が生まれます。一方で最大売り上げではLiSAの「LEO-NiNE」が15万枚と水樹のアルバムの中で最も売れた「ROCKBOUND NEIGHBORS」を上回っており、急激な成長を感じさせます。ちなみにアニソンアーティストのアルバムで最も売れたのは林原めぐみの「Iravati」(1997年リリース)であり、27.7万枚を数えています。

 

さてこれだけ見ると水樹の方が圧倒的な差があると思いますが、一つ条件を変えてみます。LiSAがデビュー(初のソロCDリリース)したのはミニアルバム「Letters to U」をリリースした2011年4月20日、4月第3週です。そこから2020年末週まで、9年8ヶ月と1週が経過しています。この年月を水樹奈々が1stシングル「想い」をリリースした2000年12月6日(第1週)から9年8ヶ月と1週が経過が経過した2010年8月11日(第2週)までにリリースされた楽曲のみに限定して売り上げを比べてみます。

 

 

水樹奈々*15

LiSA

シングル

約74万枚(リリーズ数22枚)

約103.5万枚(17枚*16

 

CD名(2020年末までの売り上げ枚数)【リリース年】

20万枚代

 

炎(24.9)【20】

10万枚代後半

 

紅蓮華(19.4)【19】

10万枚代前半

 

 

9万枚代

PHANTOM MINDS(9.4)【10】

 

8万枚代

Trickster(8.2)【08】

crossing field(8.8)【12】

7万枚代

SECRET AMBITION(7.5)【07】

Silent Bible(7.2)【10】

oath sign(7.8)【11】

6万枚代

夢幻(6.4)【09】

深愛(6.2) 【09】

MASSIVE WONDERS(6.0) 【07】

Catch the Moment(6.0)【07】

5万枚代

 

赤い罠(who loves it?)/ADAMAS(5.2)【18】

Rising Hope(5.1)【14】

4万枚代

ETERNAL BLAZE(4.8)【05】

Justice to Believe/アオイイロ(4.1)【04】

シルシ(4.4)【14】

3万枚代

SUPER GENERATION(3.1)【06】

unlasting(3.7)【19】

2万枚代

innocent starter(2.5)【04】

WILD EYES(2.2) 【05】

Rally Go Round(2.9)【15】

traumerei(2.8)【13】

ASH(2.7)【17】

Brave Freak Out(2.4)【16】

Empty MERMAiD(2.2)【15】

だってアタシのヒーロー。(2.1)【17】

1万枚代

still in the groove(1.6)

パノラマ-Panorama-(1.4)【04】

New Sensation(1.3)

suddenly ~巡り合えて~/Brilliant Star(1.3)【02】

best day,best way(1.8)【13】

BRiGHT FLiGHT/L.Miranic(1.3)【14】

1万枚未満

LOVE & HISTORY(0.5) 【02】

POWER GATE(0.3) 【02】

想い(0.04)【00】

 

 

 

水樹奈々

LiSA

アルバム

約49.2万枚(8枚)

約51万枚(5枚+ミニ2枚+ベスト2枚)

10万枚代

IMPACT EXCITER(12.6)【10】

ULTIMATE DIAMOND(10.4)【09】

LEO-NiNE(15.6)【20】

9万枚代

 

LiSA BEST -Way-(9.5)【18】

LiSA BEST -Day-(9.2) 【18】

8万枚代

 

 

7万枚代

 

 

6万枚代

THE MUSEUM(6.7)【07】

GREAT ACTIVITY(6.6)【07】

 

 

5万枚代

HYBRID UNIVERSE(5.1)【06】

 

4万枚代

 

LiTTLE DEViL PARADE(4.3)【17】

Launcher(4.0)【15】

3万枚代

ALIVE & KICKING(3.2)【04】

 

2万枚代

MAGIC ATTRACTION(2.2)【02】

LUCKY Hi FiVE!(2.7)【16】

LANDSPACE(2.5)【13】

LOVER"S"MiLE(2.1)【12】

1万枚代

DREAM SKiPPER(1.9)【03】

Letters to U(1.1)【11】

1万枚未満

supersonic girl(0.5)【01】

 

 

・・・はい、シングル、アルバム共にLiSAが水樹奈々を上回っています。特にシングルについては30万枚近い差がついています。LiSA最大のヒット曲である「炎」1曲分を差し引いてもお釣りが来ます。ちなみに「炎」「紅蓮華」の2枚の売り上げを抜くと59.2万枚となります。LiSAのシングルCD売り上げの4割を鬼滅関係の2枚が占める事となりその規模の大きさがわかりますが、仮にそれが無くすと差は15万枚ほどとなります。これが大きいか少ないかは皆様に任せます。

何故この差が付いたかはそれぞれのデビュー環境によります。上でも触れましたが水樹はデビュー1年目にCDの数字が出ないほどであり、リリカルなのはでアーティストとして本格的にブレイクするまでは4年かかっています。一方LiSAはソロデビュー前にガルデモで経験と知名度をある程度持った状態でデビューしており、最初から既に人気と知名度のあった「Fate/Zero」のOPでアニソンアーティストとしての道を歩み始めました。Fate/Zero」は当時既に大人気コンテンツであった「TYPE-MOON」の最新作のアニメ化であり、アニメ制作を担当した「ufotable」もTYPE-MOON作品である「空の境界」の劇場アニメ化に大成功しており、高い評価を得ていました。当人の努力はまた別の問題として、LiSAは水樹よりも有利な状態でスタートしたと言っても間違いありません。経歴を考えると水樹奈々が「innocent starter」でリリカルなのはと出会う間にLiSAは「Fate/Zero」「ソードアート・オンライン」「魔法科高校の劣等生」のヒット3作に出会った計算となります。ちなみに「innocent starter」はデビューからほぼ4年目、3年10ヶ月にリリースしており、水樹にとっては10thシングルとなります。この時期をLiSAに当てはめると7thシングル「シルシ」と8thシングル「Rally Go Round」の間になります。

そして水樹にとって現在のLiSAに当たる時期はさらなる飛躍の時期であり、最大のヒット曲である「BRIGHT STREAM」を含むCDシングルの売り上げ上位トップ10曲中6曲、15曲中8曲、20曲中12曲がこの後リリースされる事となります。アルバムもトップ5中3曲がこの後リリースされる事となり、当時既にアニソンアーティストとしてはトップの位置でありながらそれすら通過点でありました。もしLiSAが水樹を超える事があるとしたら、それ以降の時期の水樹の数多くのヒット曲を数年間出し続ける必要があります。

 

5:ライブ規模での比較

次にライブについて見ていきます。といっても現時点のライブ規模での比較は不要です。東京ドーム単独公演やスタジアムでのライブが当たり前になっている現在の水樹と2020年にようやく西武ドーム単独公演を予定していたLiSAではあまりに差がついているからです。なのでCDと同じく同時期でのライブの比較をしてみます。

上でも書きましたが水樹奈々西武ドーム初公演は2009年7月5日であり、同時期のLiSAのペースを上回っています。LiSAは2020年のアリーナツアーで西武ドーム公演を予定していましたが例によって延期となってしまい、まだ実現していません。ここでは2020年に予定していたLiSAのアコースティックライブツアー+アリーナツアーと、2010年に開催された水樹のアリーナツアー&ドーム公演の推定合算動員数という形で同時期年のライブを比較してみます。

 

水樹奈々(2010)

LiSA(2020)

アリーナ&ホールツアー(LIVE ACADEMY 2010):7公演

アコースティックツアー(〜unlasting shadow〜):7公演

福岡国際会議場 メインホール

1000

Zepp Sapporo

700

新居浜市市民文化センター 大ホール

1100

Zepp Osaka Bayside

1200

仙台サンプラザホール

2000

Zepp Nagoya

750

横浜アリーナ(2days)

17000×2

Zepp Tokyo(2days)

1200×2

大阪城ホール

10000

Zepp Fukuoka

660

日本ガイシホール

10000

KT Zepp Yokohama

1250

合計

58100

合計

6960

ドームライブ(LIVE GAMES 2010):2公演

アリーナ&ドームツアー(〜LEO-NiNE〜):10公演

西武ドーム(2days)

35000×2

大阪城ホール(2days)

10000×2

 

 

ぴあアリーナMM(2days)

10000×2

 

 

愛知県体育館(2days)

7500×2

 

 

西武ドーム(2days)

35000×2

 

 

ゼビオアリーナ仙台(2days)

4000×2

合計

80000

合計

133000

総合計(9公演)

128100

総合計(17公演)

139960

 

このように、公演数が8公演多いとはいえ1万人以上の動員差がついています。実際のチケットの売れ行きを考慮していない為実際には差がついているでしょうが地方のアリーナ1つ分LiSAが上回っています。ただし水樹とLiSAの10年の間にアニソンライブの規模そのものが大規模化したことを考慮すると、CD売り上げほどではありませんが全く同じ環境と言うわけではありません。ちなみにLiSAの1年間のライブ公演数は18年で26公演、19年で27公演とこの2年の方が10公演近く多いのですがドーム公演無い事や地方のアリーナ公演数が少ない事を考慮するとこちらの方が動員が多くなります。

ちなみにおそらく自身でも、アニソンライブ全体でも過去最大の動員となった水樹奈々の2011年のライブはアコースティックライブである「LIVE GRACE 2011 -ORCHESTRA-」とライブツアーの「LIVE JOURNEY 2011」、そして東京ドーム単独公演である「LIVE CASTLE 2011」の3つ、合計18公演を開催しました。

LIVE GRACE 2011 -ORCHESTRA-

横浜アリーナ(2days)

17000×2days

LIVE JOURNEY 2011

福岡サンパレスホール

2300

倉敷市民会館

2000

宇都宮市文化会館

2000

本多の森ホール

1700

新潟県民会館

1700

アクトシティ浜松

2300

ニトリ文化ホール

2300

愛媛県県民文化会館 メインホール

2700

日本ガイシホール(2days)

10000×2days

大阪城ホール

10000

さいたまスーパーアリーナ(スタジアムモード)

27000

仙台サンプラザホール(2days)

2000×2days

合計

78000

LIVE CASTLE 2011

 

東京ドーム(2days)

40000×2days(公式発表動員数)

総合計

192000

この規模は1年間に1組のアニソンアーティストが開催した規模のライブとしては最大のものでした*17

また2020年に水樹奈々が予定していた「NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020」の想定動員数は以下のようになります。

 

愛媛県武道館

6500

宇都宮市文化会館 大ホール

2000

けんしん郡山文化センター(郡山市民文化センター

2000

YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール

2000

福岡サンパレス

2300

金沢歌劇座

1900

オーバード・ホール富山市芸術文化ホール

2200

ぴあアリーナMM(2days)

10000×2

ゼビオアリーナ仙台(2days)

4000×2

やまぎん県民ホール

2000

ふくやま芸術文化ホール 大ホール

2000

大阪城ホール(2days)

10000×2

ナゴヤドーム

50000

想定動員数

120900

 

さてここまで見たようにCD売り上げ・ライブ動員を見ると現時点でLiSAは同時期の水樹奈々を(わずかながら)上回っている、と言っても間違ってはいないと思います。しかしながら当時のアニメソングを巡る環境を見ると単純比較は中々難しい所ではあります。

さらに現時点での比較だけではLiSAが水樹奈々を超えたとは言えないと思います。次回はそれについて見ていきたいと思います。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。次回も、そして今年もよろしくお願い致します。

*1:T.M.Revolutionとのコラボレーションシングルを除く

*2:Girls Dead Monsterや他アーティストとのコラボレーションシングルを除く

*3:TVアニメ「ロザリオとバンパイアCAPU2」OP「DISCOTHEQUE」「Trinity Cross」を収録。

*4:予定・中止分も含めるとAqoursの8公演が最多となります。

*5:7日間連続ではない。なお邦楽における日本武道館の連続最多公演はHOUND DOGの15日連続。

*6:中止となった2020年のライブツアー及び未観客公演を除く

*7:別に1回が予定されていたが体調不良で中止

*8:なおアニメオリジナル続編ではなく、アニメ版「バジリスク」とその原作小説「甲賀忍法帖」の続編小説「桜花忍法帖」をアニメ化した作品である。

*9:なお同一世界観である続編「WHITE ALBUMⅡ」には出演せず、前作のキャラソンが一部使われるのみである。

*10:当時は「氣志團現象

*11:延期・中止となった2020年のライブツアー及び無観客公演を除く

*12:数字が出ているもののみ記載とする。

*13:T.M.Revolutionとのコラボレーションシングルを除く

*14:Girls Dead Monsterや他アーティストとのコラボレーションシングルを除く

*15:数字が出ているもののみ記載とする。

*16:Girls Dead Monsterや他アーティストとのコラボレーションシングルを除く

*17:これ以上の規模としては2018年のAqoursの3rdツアー&4thライブがあり合計で約23万人を動員、また2019~20年のアイドルマスターシンデレラガールズの7thツアーは年跨ぎではあるが単一のナンバリングライブツアーとしては約24万人を動員し実際に開催されたライブとしてはアニソンライブ史上最大となる。また2020~21年に予定されていたが中止となったAqoursのドームツアーは5会場10公演、推定動員数は47.5万人となり開催されていた場合アニソンライブとしては史上最大となった。なお全てライブビューイングの視聴人数は除く。